第143話後処理(R15)
【注意⚠】
残酷な描写があります。
苦手な方は飛ばしてください。
イーサンはミラを抱いて王子達の元に戻った!
「ファイ王子!娘が居ました!あの離れの建物のなかにいたようです!」
イーサンの声に屋敷に押しかけていた王国騎士達はその足を離れに向けて駆け出した。
「申し訳ございません!娘は怪我をして気を失っております。屋敷にて治療を施したいのですが…」
「ああ、早く診てやれ。後で事情を聞くことになると思うが…」
イーサンさんは覚悟はしていたのか頷くと頭を下げて急いで戻って行った。
屋敷では対応していたブレンダンが兵士達を慌てて止める!
「そ、そっちは何もありません!そこは駄目だ!屋敷の方を先に!」
ブレンダンの様子に訝しがり皆が離れに向かうと
「言う事を聞け!ここは俺の屋敷だぞ!俺は公爵家の息子だ!」
扉の前で両手を広げて抵抗した。
「私はこの国の王子だが?」
ファイ王子はブレンダンを冷めた目で見つめると、
「君とは短い付き合いだがこんな奴だとは…やはり噂は本当のようだな」
「う、噂…」
「この屋敷のジェイコブ公爵は何処だ、今すぐ連れてこい」
「ち、父は…」
ブレンダンが言葉を濁すと…
「王子!ジェイコブ公爵が居ました!しかし…」
窓から侵入した騎士が報告に来た。
「どうした?」
「何故かボロボロです…両手が潰れて壊死する毒の為股間を切り落とし焼いて止血していたところでした。動かせそうにありませんがどうしましょう」
「「はっ?」」
王子とブレンダンは騎士の言葉に驚愕した。
皆でジェイコブ公爵の様子を見に行くと…
「な、なんだこの部屋は…」
中は様々な臭いがこもり悪臭が放っている、布で鼻と口を押さえて中に入るとベッドにはジェイコブ公爵と思われる男が寝ていた。
しかし頭は白髪で髪は抜け落ち、口には猿轡を噛まされ、両手をグルグルに包帯で巻かれているが赤く点々とシミが出来ている、まだ血が止まっていないのだろう。
そして悲惨なのは下半身だ足を広げてベッドに縛り付け動けない様にされている。
股間を布で何重にも巻かれてオムツをしている様な状態だった…
「こ、これは…」
近くには医師と思われる男がいた。
「股間に毒の症状がありました…すぐに切り落とさないと死に至る為やむ無く切り落としました。その際に出血が酷く…焼いてそれを止めました…とにかく命を最優先にした結果です」
「な、何故縛っている」
ファイが聞くと
「暴れ回ってしまうからです…この傷で動けばまた傷が開いてしまいます」
「なるほど…ではこの対処は妥当だな」
ファイが頷くと
「何が妥当だ!この仕打ち…許さんぞ!」
ブレンダンが医師を睨むと
「その前に彼は何故このような目に?ここにいたあの子供の説明はどうつける?」
ファイは今は喋れないジェイコブに変わりブレンダンを睨みつけた。
「あ、あれは…し、知らない…そんな娘知らない」
「何故娘だと?」
「あっ…」
ブレンダンが口を押さえると
「君には色々と聞くことがありそうだな…こいつを連れて行け!」
ファイは騎士達にブレンダンを連れていくように指示を出した。
「こいつはどうしますか…」
騎士達は嫌そうにジェイコブ公爵を見下ろすと…
「こいつはしばらくは動けまい…治るまでここに置いておけ」
「その世話は誰が?」
医師が聞くと
「それはこの屋敷の者達が…」
「申し訳ないが私はもうここを出ていきます。多分屋敷に仕える者達はほとんどが出ていくと思いますよ」
「え?」
「では…」
医師が出てこうとするとそれに続いて従者達も出ていく。
「お、おい!この屋敷の主人なんだろ?一応…」
「そうですが、誰もその男をしたっていたものなどおりません。我々は恐怖で支配されていましたから…そのようになって犯罪も公になった今やっと我らもここを抜け出せる」
医師の言葉に従者達も涙ぐむ。
「こいつは一体何をやってきたんだ…」
「私達で証言出来ることは致しますがその男の世話をする気はありませんので」
そう言うと部屋を出ていってしまった…
「あ!あいつらを止めとけ!話を聞くことがまだある!それと…これの世話をする者を見つけてこい…」
「こ、これの…」
騎士達は嫌そうにジェイコブを見つめた。
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