第140話救出

ジョン達は町に来るとノアが急に反応しだした!


ピーピーと鳴きながら落ち着きなく馬車の中を飛び回ると…ジョンがケイジを見た。


「何か感じたのかもしれない」


ジョン達はノアを外に放つとその後を追った!


ノアは大きな屋敷の前に来ると一直線に屋敷の裏にあった薄暗い建物目掛けて飛んで行った。


「ここは…」


ケイジは屋敷の紋章を見て驚愕する。


「ミラがここに…ケイジさん急ぎましょう!」


「し、しかしここは公爵家です…見つかればタダではすみませんよ」


「もとよりそのつもりです」


ジョンは迷う事なく屋敷の敷地内へと忍び込んだ!


離れに立つ建物の周りは幸運か誰も警護もしていなかった。


ノアは窓ガラスを割って建物に侵入していた、ジョンはノアが割ったガラスから鍵を開けて同じように建物に入ると扉の鍵を開ける。


ケイジも侵入すると…


ドンッ!


ノアが分厚い扉に向かって体当たりしていた…小さい体は扉に打ち付けられ傷付く…頭から血を流しても何度も扉に向かってその体をぶつけていた…


ジョンはノアに叫ぶとその扉を蹴破った!


中に入ると高齢の男が驚いた顔をしてこちらを見ていた…ノアはそれを無視して奥に飛んでいくとベッドに止まった…そこにはずっと、ずっと会いたかった子がぐったりと横になっていた…


男とミラを見て瞬時に理解する…


こいつがミラを…その瞬間目の前が真っ赤になった!


全身が熱くなりどうにでもなれと気がつけば男を締め付けていた…


このまま殺そうかと思っているとミラの声がした気がした…ジョンさん!と怒るような…


ジョンは怒る気持ちを必死に抑えて男を壁に叩きつけてようやく手を離なした。


そんな奴は無視してミラに駆け寄ると…顔が赤く腫れ…腕には手の痕が付いている。


しかも服ははだけて手足を縛られていた…


直ぐにそれを解いてミラを抱きしめる。


その体は少し重くなっていた…


「ミラ…」


ミラの温もりを感じてようやく息が吸えた…


あの男を殺したい…一人なら殺していただろう、だが今はミラがいる、それにここまで連れてきてくれたケイジ看守長も…


自分の感情だけで動く訳には行かなかった…そして一刻も早くこの場からミラを出してやりたかった…せっかく自由な外の世界に出したのに、再会した場所がまたこんな牢屋の中のような場所。


ミラには澄んだ青空の下が似合う。


ジョン達が部屋を出ようとすると男が逃がさないとばかりにマントを掴んだ…そして言ってはならない事をいう。


またミラを捕まえるだと…


その瞬間考えるより先に足が動いた…男を蹴りそのミラを触ったであろう手を踏みつけた。


ゴリゴリと音がなるが気が済まない…粉々になってもう二度と子供が触れないようにその手を潰す。


見るとケイジ看守長も同じように手を潰していた…


こんなのでは気が済まないが男の叫び声に人が来るかもしれない…二人は素早くその場を離れた。

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