第101話驚愕
「どれだけ独り占めしたいんだ…」
クロードが苦笑すると仕方ないと手を引っこめる。
「イーサン様…お友達にああいう態度は良くないですよ。私の頭撫でたくらいじゃ何もかわりません」
ミラが言うと
「いや…私の中の何かは減るから…」
イーサンが眉を顰めると
「イーサン様…いえパパが申しわけありませんでした」
ミラは深々とクロードに頭を下げる。
「ぶっ!イーサン…子供と言うより妻のようだな」
クロードが笑うがイーサンはパパと呼ばれ感無量で瞼を閉じている。
「いえ、パパは本当に素敵で優しいパパです。私ここに来られて本当に感謝しています。美味しいご飯も食べられて、毎日お風呂にも入れて貰って新しい服を着せてもらい教育を受けさせてくれる。感謝しない日はありません」
ミラがイーサンを見つめて微笑むと
「ミラ…そんな風に思っていてくれたのか…」
イーサンが口に手を当てて目を潤ませる…
「ん?教育…イーサンその子にもう勉強を教えているのか?」
クロードが聞くと
「いえ、私が頼んで勉強させてもらってます。どうしてもこの国の事が知りたくて…」
「ちょっと待ってくれ…イーサン…その子俺には5.6才に見えるんだが実際はもっと上なのか?」
「い、いや…ちゃんとした日はわかってないが…五才だと思う」
「嘘つけ!五才の子がこんなまともな事を話せるか!なんか誤魔化しているな!」
「私ちゃんと五才ですよ…五才の子は勉強しちゃだめなんですか?」
ミラが伺うように聞くと
「いや…そんな事は無いが…イーサン…この子とんでもない子供なんじゃ無いのか…」
クロードがじっとイーサンを見つめると何かに気がついた。
「まさか…コロッケとかもこの子が作ったんじゃ無いのか!?」
「い、いや!」
イーサンが否定しようとすると
「はいそうです」
ミラがあっさりと認める。
「やっぱり…どうも言わないわけだ…こんな小さな子が考えたとなれば確かに色々と面倒な事になりそうだ」
「ええ、ただでさえ成り上がりの私はあまりいい目で見られませんからね。大人しくしていないとミラにどんな被害が及ぶか…」
イーサンが不安そうにするが
「パパ大丈夫だよ。そんな人達が文句も言えないくらい私達がもっと上に上がればいいんだよ!」
「ミ、ミラ…」
ミラが元気になったのはいいが…言ってることが突飛すぎてついていけない…
イーサンが困っていると
「どうするんだい?そんな子供が軽々と上にいける世の中じゃないよ」
クロードが苦笑すると…
「これみて下さい」
ミラは持っていた紙をテーブルに広げた。
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