第41話ノア

「ノア、何照れてるの?」


ハーパーが呆れるとコツコツ!とハーパーのアタマをつついている。


「いた!わかったごめんって!」


ハーパーがノアに謝ると、ミラがクスクスと口を押さえて笑っている。


「何?」


ハーパーがきまり悪そうにミラを睨むと


「だって…二人ともすっごい仲良し…兄弟みたいだね!」


「まぁそんなもんかな?生まれた時がずっと一緒にいるからね」


「へー!いいなぁ~私もお兄ちゃんとか弟、欲しかったなぁ…」


前世もひとりっ子だったミラは羨ましそうに二人を見つめる。


するとノアがミラの肩に止まってスリスリと体を寄せた。


「ん?ノアちゃんもしかして私の弟になってくれるの?」


コクコクと頷く。


「ノアが弟ねぇ~」


ハーパーが笑うと


「へへっ嬉しい!ノアちゃんが弟だね!あれ?じゃあハーパーはお兄ちゃんだ!」


ミラは二人をキラキラした顔で期待をこめて見つめる!


「お兄ちゃん…」


ハーパーは目を広げて驚いていると


「ダメ…だった?」


ミラがしゅんとしてハーパーを見上げると


「しょ、しょうがない、他の奴なら許さないけどミラなら許してやる」


ハーパーはミラの頭を撫でると


「やった!ノアちゃん、ハーパー兄ちゃん!よろしくね!」


ミラが喜んでハーパーに抱きつくとノアは嬉しそうにその周りを飛んでいる。


「わ、わかったよ、さぁ早く料理するんだろ?全くしょうがないやつだなぁ」


ハーパーも満更ではなさそうに笑っていた。



ミラは落ち着くとノアが出した物を見つめる。


「そういえばノアちゃん何出したの?」


ミラがハーパーが持ってる物を見つめると


「油だよ、欲しかったんだろ?」


「えー!」


ハーパーが蓋を開くと透明の液体が入っている。


「これ使えよ、それで料理できるんだろ?」


「ダ、ダメだよ!油って高価だって言ってたよ!それはハーパー兄ちゃんとノアちゃんのだもん!」


ミラが首を振ると


「これはノアを使えばすぐに手に入るんだよ、だから大丈夫。他にも足らない食材ならノアが出してくれるぞ」


「すごい!ノアちゃん」


ミラが褒めると


「それにお前は妹なんだろ?兄の物を使って何が悪いんだよ」


ハーパーがニヤッと笑う。


「うっ…じゃ、じゃあ…ノアちゃん兄ちゃんありがとう…」


ミラは恥ずかしそうに二人にお礼を言った。


「可愛いじゃん…」


ハーパーがボソッとつぶやくと…


「ん?兄ちゃん何か言った?」


ミラが首を傾げる。


「なんでもないよ、それで油で何作るんだ?」


「茹でたじゃがいもに油と言えば…」


「言えば?」


「コロッケ!」


「おい、ポテトサラダってのはどうしたんだよ」


ハーパーがつっこむと


「それも作る!じゃがいもだらけだね!」


ミラが喜んでいると


「じゃがいもだらけか…」


ハーパーがまた芋かと肩を落とすがミラが作るものならまぁいいかと、ポテトサラダとコロッケがどういうものかわからずにとりあえず手伝うことにした。

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