第4話 あなたの選んだこの時を その4
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「いや! なんか反応して!!」
俺の渾身の作品を聞いても、生徒会のメンバーは誰ひとりとして無反応だった。
「すげー! それで、それで、それからどうなるんだ? 薫!!!」
いや……いた!!
俺のこの素晴らしい作品に興味を示してくれる人物が!!!!
愛花はやっぱり可愛いなぁ……。
「ふっふ〜ん。このあとはだな愛花ーー」
「愛花、そのバカの戯言に耳を貸す必要はないぞ」
「しゃぁぁぁーらぁぁぁっぷ!! 直、お前は大人しくラノベでも読んでいるがいい!!!」
「……と、言ってもなぁ……2014年に流行ったラノベなんかもう覚えてーー」
「せーい!! その類いのメタ発言はよせ馬鹿者!!!!」
まったく、パロだけでなく作品外のメタ発言まで飛び出すのか……。
まぁ、約10年前のものを掲載しているしその辺のズレはーー。
突如、俺の背中にバシーンという軽快な音と共に、痛みが走り。
振り向けば、どこからか取り出したかわからないハリセンを構えた清美が立っていた。
「いったぁぁ!?」
「いや、昨今の◯◯使みたいなリアクションね……ってか、ツッコんだ本人が一番作品関係性ないメタ発言してちゃ世話ないでしょーーイタッ」
「そういうお主も、作品と言っている時点でメタ発言にはなる。まぁ、それに突っ込んでいる我もメタ発言をしていることになるか……」
清美の頭に軽くポンっいうチョップのツッコミを放った、花愛が自分への制裁として片方の頬をつねっていた。
「晴美もガラケーからスマホになったので安心してス○フ◯スができます」
「あら? デレ○テじゃないの晴美ちゃん?」
「もちろんデレ○テもやりますよ。後、ナナ○スもバン◯リも、シャニ◯スだってーー」
「ストップ! ストォォップ!! ハジけすぎだよユーたち!! はい、ダメ! このお話は設定的には、2013〜2014のものにして!!!!」
「でも、先輩。仮に2013でも、2014でもスマホは普及してますよ」
「っぐ……じゃあ、せめてスマホゲーの話はやめて!! とりあえず2013までにしよ、ね!!」
「わかりました……」
晴美ちゃんが多少不満そうな表情を浮かべつつも、スマホの電源を切る。
良し、これでとりあえずの時代背景は……。
「では、スク○ラを」
「シャングリラシャワー!!!!!!!」
「……何? そのツッコミ?」
「スク◯ラの主題歌……だな。ちなみに2021年現在では、そのスク◯ラの完全上位互換であるスク◯タがスマホゲームでーー」
「おぃぃぃ!! バカ!! 直、とんでもないレベルの時代背景を曲げるなぁぁ!!」
「でも、先輩。前の話でaqo◯◯sパロまでやっておいて今更ーー」
「お黙り! とにかく、晴美ちゃんVI○Aしまって!!!!」
「いいえ、先輩。晴美は知っています。VI○A自身は既に2011年にはあります! セーフです!!」
「ソフトはダメでしょ!! そもそも2013年〜2014ならラブ○イブはーー」
「甘いですね! 先輩!! 2013年の秋の時代背景なら、アニメ1期どころか3rdライブまでは既に終わっています!!!」
「なっ、なんだって!?」
「そして、その期間なら、スクフェスは既に存在しています!!!!」
「っぐ! そんな……ばっ、バカな!!!!」
俺の浅はかさによって間違ったツッコミを……。
つまり今まで俺がしたことは……。
「いやいや、でもナナ○スもデレ○スもバン◯リもシャニ◯スもアウトでしょ」
清美の冷静なツッコミにより、晴美ちゃんのスマホが取り上げられる。
あーあーと断末魔をあげる晴美ちゃんを背に、こっそりと自分のスマホを隠す直を俺は見過ごしつつ、自分のスマホもその時代に使っていたものにすり替えた。
「と、まぁそう言う乱れはあるけど。ちょーっと、不可抗力だからあたしがその時代のものを用意したからそれ使ってね。後、物語外ならそのスマホ使っていいからね!」
サンキュ、ゆっり……。マジ天使。
「さて、本日の議題だがーー」
アプリを消され、死んだ魚の目をしていた晴美ちゃんもここにはもういない。
実に穏やかな気分でいられる。
いつもより二人ほど多い生徒会での会議がようやく始まった。
「ずばり、今回Lie◯◯aは、ラブライブプロジェクトの救世主にーー」
「「だから時期を考えろ!!!!」」
清美と俺のダブルツッコミが案外響いたのか、直は小さくなって大人しくなった。
「色々と言いたいことはひとまず置いておいて、今回は久々にちゃんとした議題があるのよね?」
「なぁ? 議題って何するんだ?」
「それはね……愛花」
「おう!」
「えーっとーー」
「うん!!!」
「・・・・」
星奈さん、いざ説明しようとしても自分も何を話すのか具体的にはわかってないから困ってるなぁ……。
「愛花、とりあえず今は流れに身を預けよう。そうすれば、きっと愛花の疑問を解決するはずだ」
「うん! わかったよ!! 花愛ちゃん!!!」
愛花は満面の笑みを浮かべ、星奈さんは花愛に助かったという感謝を目線で伝えていた。
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