第2話 あなたの選んだこの時を その2

「さて……恒例の薫の妄想話も終わったしいよーー」


「!? ここはーー」

「どうした? 薫、まるでさっきまでいた場所からいきなり時間や次元を超えてきた! みたいな顔して」

「いや、例えが具体的!!」


 と、そこまで言って直のこの間の言葉を思い出す……。


 直は、既に能力に覚醒している。


 俺と同じく……しかも、その能力を限定的とはいえ使うことができる……。


 例えではなく、きっとクロノスの……花愛の能力と由梨の力を感知しているのだろう……。


 冗談っぽくは言っているが……きっと、直には全てーー。


「それで? わざわざ集めたということは何かあるのか? 会長」


 多少無理やりだが助け舟を花愛が出した。直も、その言葉を聞いて表情を変える。


 ここで、これ以上追求するつもりはないようだ。


「そうだな……よし、アイドル活動をしよう!!!」

「えっ!? なんだって!!」

「まーた、唐突にネタ放りこんできたわね……」

「まったくです……このエロスが……」

「いきなり俺、罵倒されたんだがって……えっ? 何この流れ? どうなってんの? ねぇ○秋!!」

「誰が、千◯じゃバカもの!!」

「おーじゃあ、星奈さんは◯香だとして……やっぱここは晴美ちゃんか?」

「いいえ私は千○ではなく◯馬です」

「まさかの! チョイス!!」

「そういうわけだ! わかったな◯田」

「うん! わかったよ○奈ちゃん」

「なるほど。香◯が清美で内◯が愛花……そういうのもあるのか」

「感心してる場合か。馬鹿者。それに、いつまで○な○けネタ続けるつもり? 後、愛花あんたも乗る、な!!!」

「えへへ〜ごめんねー。お姉ちゃん」

「ふむ、やはり今、流行りの学校でアイドル活動、か?」

「うちの学校、いきなり廃校になるのかよ!!」

「あたし!! やる!! やるったらやる!!」

「あー……そうだよな。清美は、○乃果だろうな……」

「ラブアローシュート!!!」

「直、お前が◯未に行くのは正直、意外だったぞ」

「だっーー」

「ダレカタスケテー!!!」

「!?」

「「「「チョットマッテテー」」」」

「コール&レスポンスやめーい!!!!」

「……うるさいよこのエロスが」

「……晴美ちゃんは、琴○さんに徹するんだね」

「……○陽ポジを愛花さんに取られてしまったので」

「なるほど……って、納得しちゃダメだろ! 俺!!」

「ハラショー!!」

「唐突にノラないでください! 星奈さん!!」

「あら、KKSな私にぴったりだと思わない?」

「かしこい、かわいい星奈さんってわけですか……んで、星奈さんは○リチポジなんですね?」」

「まぁ、一応三年だし。あっ! でも○とりちゃんもいいわね。それで、二年生が三人揃うし」

「……それ、清美が直に叩かれるやつですね。わかります」

「……辞めます……」

「「「「「「えっ!?」」」」」」

「……私、スクールアイドル、辞めます……」

「……直ちゃん……」


 周りにいるみんなの誰もが言葉を発することができなかった……。


「えっ!?」


 清美は一歩、また一歩と、生徒会室の扉の方へと歩いていく。


「何これ?」


 そこに、直が駆け足で清美へと駆け寄りそのまま直の平手打ちが、清美の頬に入る……ように見える。


 音なんてないはずなのに脳内にスパーンという鈍い音が響く。


「あなたがそんな人だとは思いませんでした……最低です……あなたは、あなたは最低です!!!」

「「「「「素直で追いかけて、勇気で追いかけて♪」」」」」

「えーい! そのEDまでの流れやめーい!! 思わず見入ってしまったし、つい◯ぞみポジで参加してしまったわ! ってか、やっぱあの流れはないわ……じゃなくて!! あの回のedは◯乃果ソロだったろうが!!」

「えっ? そこが問題なの?」

「小さな願いが明日を作るーー」

「そうそう。いや、違う違う違う。穂乃○ポジの清美がソロで歌えば良いわけじゃない! そして! 晴美ちゃん、まさかのり○ポジかよぉぉぉぉぉ!!!!!」

「マラカスが振りたかった!」

「そんなキリッって、キメ顔してもダメなものはダメ!」

「でも、愛花は……そんなはるちんも好きにゃー」

「あ……愛花ちゃん……」


 期待を込めた眼差しで、花愛を晴美ちゃんと愛花が見つめる。


 花愛は頬を人差し指でかきながら、一言、呟く。


「……イ、イミワカンナイ……」

「「花愛ちゃーん!!!」」

「ヴェェェ!?」


 あぁ……まきりんぱな……最高。


「じゃなぁぁあい!!! 花愛を無理やり巻き込んで、強化百合フィールド+一年生を揃えるだけでなく、晴美ちゃんと愛花ポジション変わってんじゃねぇか!!!」

「まさか、抱き付かれるとは思っても見なかったぞ……」

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