【朗読版】 異世界転移していない!? ここは-システムエラー-界らしいです~ちょっとおかしなゲームを攻略しなきゃいけなくなりました~
砂漠の使徒
Extra (番外編)
楽しいピクニック?
【登場人物】
佐藤(男)
シャロール(女)
イチロー(オオカミ)(オス)
【アドバイス】
佐藤君の気持ちの上下を、うまく表現しましょう!
――――――――――――――――――――
佐藤
「なあ、シャロール」
シャロール
「な〜に、佐藤?」
佐藤
「ピクニックに行かないか?」
シャロール
「ピクニック?」
佐藤
「うん」
「今日はすっごく晴れてて、気持ちよさそうだなと思って」
シャロール
「そっか〜」
佐藤
「イヤ……だった?」
シャロール
「そんなことないよ!」
「早く行こう!」
――――――――――――――――――――
森を歩く二人。
佐藤
「なぁ、ここまで来なくてもよかったんじゃ?」
シャロール
「え〜、野原で食べると誰かに見られるかもしれないじゃ〜ん」
佐藤
「たしかに、それは恥ずかしいかも」
「……でも、ここ、薄暗くて怖い」
シャロール
「え〜?」
「佐藤、ビビってるの?」
佐藤
「ビ、ビビってなんか……」
イチロー
「ガウ!」
佐藤
「うわぁ!」
シャロール
「イチロー!」
佐藤
「なんだ、イチローか……」
「びっくりした……」
イチロー
「ガウガウ!」
佐藤
「なんて?」
シャロール
「えっと〜……」
「お前がウサギだったら、とっくに食われてるぞって」
佐藤
「……」
シャロール
「も〜、ダメじゃない、イチロー」
「佐藤は臆病なんだから」
佐藤
「なんだと〜」
シャロール
「それより、イチローも一緒に食べない?」
イチロー
「ガウ!」
――――――――――――――――――――
シャロール
「はい、あ〜ん」
イチロー
「ワン!」
シャロール
「おいしいでしょ」
イチロー
「ワンワン!」
佐藤
「……なんで、イチローにばっかり」
シャロール
「なに?」
佐藤
「今日は僕とのピクニックだろ?」
シャロール
「でも、イチローとは久しぶりに会うから、いっぱい遊びたいじゃん」
佐藤
「……」
シャロール
「私の作ったサンドイッチ、おいしいでしょ?」
佐藤
「あぁ、そうだな」
「イチローにたくさん食わせてやれよ!」
シャロール
「あ、佐藤!?」
その場から立ち去る佐藤。
――――――――――――――――――――
佐藤
「なんでシャロールはイチローとばっかり話すんだよ!」
「せっかく僕がピクニックに誘ったのにさ!」
「イチローと楽しそうにして、僕とは全然話してくれない!」
「シャロールなんか、オオカミと付き合えばいいんだ!」
シャロール
「きゃー!」
森の奥から、叫び声。
佐藤
「シャロール!?」
急ぐ佐藤。
――――――――――――――――――――
イチロー
「グルルル」
シャロール
「助けて!」
イチローがシャロールを押し倒している。
佐藤
「大丈夫か!」
シャロール
「佐藤!」
「イチローが!」
イチロー
「ガウガウ!」
イチローが佐藤を睨む。
佐藤
「こいつ……」
シャロール
「急に襲ってきたの!」
イチロー
「ガオー!」
イチローが飛びかかる。
佐藤
「うわっ!」
ギリギリ避ける。
イチロー
「ガルルルル」
佐藤
「どうやらやる気みたいだな」
「来い!」
佐藤は構える。
――――――――――――――――――――
佐藤「はぁ……はぁ……」
イチロー「ワオーン!」
イチローが去っていく。
佐藤「なんだったんだ?」
シャロール「怖かったね……」
佐藤「ごめんよ、シャロール」
「君を一人で置いていって」
シャロール「え?」
佐藤「危険な目に合わせてしまった」
シャロール「ううん、いいの」
「わたしも悪かったの」
佐藤「え?」
シャロール「お昼ごはん、食べよう?」
佐藤「ああ!」
――――――――――――――――――――
シャロール「気を利かせてくれて、ありがとうね」
イチロー「どうやらお前の彼氏はすぐヤキモチやくみたいだからな」
シャロール「佐藤ってば、私のことになるとすぐ熱くなっちゃうんだよね……」
イチロー「おかげで俺は、全然サンドイッチが食えなかった」
シャロール「今度は三人で、食べようね」
イチロー「さぁ、どうかな……?」
――――――――――――――――――――
佐藤「ハックショーン!」
「誰かうわさしてる?」
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