ソーサラープロミス

月影澪央

プロローグ1

 遥か昔、ある家に双子の男児が生まれた。ただその片方、兄の方が突然変異体で、その突然変異体はとてつもない力・能力を持っていた。

 人々はその突然変異体、及びその子孫らを『怪物かいぶつ』と呼んだ。


 数百年経った今、その存在を知るものはごくわずかとなってしまった。その数少ない知る者を『魔術師』という。


 魔術師は今やその怪物の悪事から一般人を守る立場にあった。


 ◇◇◇


 怪物たちの大規模な発生や計画的犯行によって怪襲かいしゅうというものはどうしても起こってしまう。


 だが、それが起きた時、対応できるのは子供しかいない。

 大人はその職業の希少さから、毎日仕事が詰め込まれていて、とても対応などできない。

 だから、まだ仕事量が少ない魔術師の学校『魔術学園』の生徒たちに対応が任されるのであった。


 それ故、経験が浅い子供じゃ対応しきれないような怪襲や仕事があったりする。その結末は『死』だ。そうやって魔術師がどんどん減っていく。それが現状というものだ。


 今日も高校生などの魔術師が死んだようだった。

 今日は大きい怪襲が横浜で起き、高校生1人を含む4人の魔術師が死んだらしい。


 よくあることと言えばよくあることだが、この現状を見て、思い出すものがある。


 それは俺が高校生のとき、彼女と交わした約束のことだった。

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