第2話 「危険な実験」

一週間前の出来事である


アオイはラックを呼び出し

35回目の魔術実験を行った 


ラックは内心

「どうせ失敗するさ!」と思っていたが

アオイが母ソルカの病気を治す方法を

熱心に探している事を知っていたので

「今回こそ成功するさ!」とアオイを励まし

いつも付き合う事にしていた


アオイは呪文を唱えた

相手の心を読む事ができる魔術というが、、

いつもオーラが見える域を超える事はなく

相手が何を考えているか?までは分からなかった


「アオイ!

何か分ったかい?」


「うう~ん

もう少しで分かりそうなのだけど・・

ラック、もしかしたらお腹空いてる?」


(いや・・・さっきオヤツを食べたばっかだし・・)

「おお!よく分ったな!

実は、お腹ペコペコなんだ!」


「本当に?」


「ああ!!」


「さっき家政婦さんが

クッキーを焼いてくれたから

一緒に食べない?」


「ありがとう!

嬉しいよ!!」


(ラックは優しいわね・・

適当に聞いたのに・・私の質問に合わせてくれるなんて・・ごめんね・・)




アオイはラックと

屋敷1階にある食堂に入ると

何と!サイカ叔父がいるではないか!


「よう!ラック

いい所に来た!

実は、お前に頼みたい事があるのだが、

あとで儂の部屋に来てくれるか?

アオイも一緒に来てくれると嬉しいのだが・・」


「嫌よ!

どうして叔父さんの部屋に

行かなきゃいけないの?」


「お前達は儂の実験を

手伝う事になっているのだ!

ラックに聞いてみな!

とにかく待っているからな!!」


サイカ叔父は、不吉な表情を浮かべながら

自分の部屋に戻って行った


「ラック!

叔父さんの相手はしないで!って

いつも言っているでしょう!!」


「分かっているよ!

ただこの間、銅貨1枚 小遣いをくれてさ!


僕が、アオイの魔術実験を手伝っている事を

知っているみたいで

1度だけ協力して欲しい!と

熱心に頼まれてさ!


1度だけだよ!

どうせ成功する訳ないしさ!」


「ラック!

サイカ叔父の魔術は侮ってはいけないわ!

私の母さんが病気になったのは

叔父さんの魔術のせい!かもしれないのよ!

だから危険な事は絶対にしないで!」



「分かったよ!アオイ

君が叔父さんを

嫌っているのは分かっているし

危ない実験は絶対に手伝わない!約束するよ!

君に迷惑をかけないようにするからさ!」


「・・・・・ラック

仕方ないわね・・一緒に行きましょう」

アオイは渋々答えるが・・嫌な予感がしていた


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