毎日・女子・金メダル
毎日毎日、剣を振り続けた記憶がある。でもこれは
それを振るうことができることは特別なことなんだと脳裏に刻みながら力を振るった。
黄昏色に散っていくきぐるいたち。そしてそれを見て驚くライオン。
「き、貴様っ。恩を仇で返しおって」
恩を受けた記憶はない。これからもきっと彼られに助けられることはないはずだ。たとえここが物語にとっての仮想的な楽園だとしてもだ。
「貴様がここにいられるのは我々のおかげだろうが」
知らない。そんなことは知らないのだ。九重佑という人間は最初からいない。誰かを犠牲にしてこの世界に顕現したとしてもだ。いるはずのない人間。だから、誰のおかげとかそんなはずない。
あるとしたらそれは復讐だ。この世界に顕現する理由を作ったのならそれは許すことができない。
力ない女子のように脱力しきって、抵抗しようにも対した力を持っていなさそうなライオンに向かって剣を振り下ろした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます