一生のお願い・全自動・実力派
「なっ」
その異様な光景に驚いてしまったのはなにも
「話の途中なんだけどなぁ。邪魔しないでくれる」
その無邪気な感じは黄昏書店にいたときの隆司くんのままだ。それが反対に怖く感じたりもするが頼もしい気持ちが今は強い。
「はぁ。だから容易に手を出すなと言ったのに」
ライオンさんがそうつぶやいている間に、隆司くんはペガサスの腹部へ拳を止めいるのと反対の手で殴りつけた。
複数のきぐるみ集団を巻き添えにしながら後方へと吹っ飛んでいった。
「ドラゴンといえばもれなく実力派だったが子どもでもこのちからとはな。そこにいるやつもよく捕まえられたものだ」
ふと残された四天王が気になって振り向いた。きぐるみの何人かが気絶したままの四天王を縛っている縄を解こうとしていた。
「彼らを解放してどうしようっていうの」
「こちらには全自動で言うことを聞かせられるようなものがあるんだよ。ひとりだ散らせられたのは困ったものだが残りの3人だけでも十分だ」
苦労したのに簡単に復活されては参ってしまう。ただでさえ手数が足りず、隆司くんだよりだと言うのに。おなじドラゴンがまた敵に回るのであれば隆司くんが相手をせざるを得ない。
「くっ。氷姫。やつらを止めろ」
意識が戻った永遠さんがまるで一生のお願いかのように氷姫に叫ぶ。必死に足を動かしてきぐるみ集団を止めようとするが。気づいたのが遅かった。はらりと地面に落ちた縄を合図にしたかのように。四天王のうち残された3人が立ち上がった。
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