一年分・ご当地キャラ・自慢

「なんだよ。勝利宣言しておいて止めは刺さないのか。一息ついている暇なんかないんじゃないの。後ろでここのご当地キャラみたいな親玉がまってるぜ」


 永遠とわさんの後ろでドラゴン同士が相変わらず取っ組み合いをしている。ブレスやらなんやらは忘れてしまったのかと思うくらい組み合ったままだ。


「自慢じゃないが俺は負けたことがないんだ。そして勝った相手は残らず殺してきた。そうじゃないきゃ生き残れなかったからな。それに比べておたくらはあまちゃんなんだよな。やっぱり子連れなだけはあるよな」


 口数の減らない弾丸に永遠さんがイライラしていくのがわかる。


「うっせーな。どうするか考えてるんだからちょっとは黙ってろよ」


 永遠さんが止めをささないでいるのはたすくさんに似ているってところが気になっているのか。


たすくに似てるからって遠慮しないでよね。こんなやつさっさと消しちゃえばいいんだよ」


 口裂け女モードのかえでさんはちょっと物騒だ。


「おい。てめえ。その名で俺を呼ぶんじゃねぇ」


 その場にいた全員が驚いた表情になる。今、弾丸はなんと言った?俺をそう呼ぶなとそういったのか。


「おいっ。お前の名前は?答えろ!」


 永遠さんが一年分の焦りをぶつけるが如く問い詰め始める。氷姫も思いは一緒だ。もっとやれとすら思う。


「名前なんてない。そんなものはとっくの昔に捨てた」


 一向に口を開かない弾丸に対して永遠さんは再び剣を弾丸の腕に突き刺した。

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