ポンコツ・のパン屋さん・グレーゾーン
「おいっ。ポンコツ共っ。先行くぞっ」
海水浴をしているふたりに対して
「ちょっ。中に人がいるんでしょ。気がついたらどうすんのよ」
一瞬だけキョトンとした永遠さんだったけれど、すぐになにかに気がついたみたいだ。
「ああ。俺たちがきてるなんてとっくにバレてるだろ。前回も俺たちを簡単に探し当ててたしな。そういう能力がの持ち主がいてもおかしくないし、そうういうやつがいるからこそ、これだけ手薄なんだろ。入り口」
そう親指で指す秘密基地はたしかに警備とかいうことをまったく考えていない作りだ。それはそうで海の家なんて吹きさらしの場所だ。
「中を覗いても誰もいないみたいだし、ほんとにここが拠点なの?騙されてるんじゃない?」
そんな気もしてくる。でも永遠さんの表情は自信満々のままだ。
「情報屋のパン屋さんにも確認とったし間違いない。お相撲さんだけが情報源じゃないよ」
「ねえ。先に行くんじゃないの?」
「お前らのことを待ってたんじゃないか。勝手に遊びに行くんじゃない。
永遠さんでもそんなことを思うのか。とりあえず全員そろったので進み始めた。
外からの灯りが届かない中は昼間だろうと薄暗い。人の気配がないのだけれど、本当にここなのかと永遠さんに聞きたいところだがずんずんと進んでしまっていてそんなことは言い出せない。
「グレーゾーンが目印だって言ってたんだ。このあたりのはずなんだが」
グレーゾーン?
そんな場所が本当にあるのか。
「あっ。これじゃない。そう書いてあるし」
秘密基地といいグレーゾーンといい、隠したいのか隠したくないのか理解不能な拠点だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます