まるだし・海水浴・四六時中

「こんなまるだしの秘密基地でいいんですか。しかもここって一体……」


 外見はインターネットや話に聞いたことはあったけれど、実際見るのは初めてだし、こんな場所にあるなんて実際見ても信じられないでいる。


「まあ、でもこの街自体おかしなものなんだから、気にしたらだめよね。こんあの信じられないけれど受け入れるしかないわ」


 夏希なつきさんはおんなじように見ている光景に呆れているが受け入れようとしている。かえでさんと喜美子きみこさんは受け入れるのが早くて、すでに遊びに行ってしまった。


「ここって海の家だよな。海が広がってるし、ここが地下ってことを忘れちまうくらい妙な光景だぜ」


 広がる海の先には水平線すら見える。それは普通ならありえない話でしかないのだけれど、氷姫ひめは自身の経験も含めて現実ではありえないことしか起きていないのだ。それこそこの光景も受け入れなきゃいけない。


「それにしても海の家にしか見えないのだけれど。これが秘密基地であってるのよね?秘密基地って書いてあるし」


 海水浴に行ったまま帰ってこない楓さんと喜美子さんをよそに話は進む。


「中は狭そうだし、声をかければここで戦いになりそうですが……」

「砂浜での戦いか。どっちに有利に働くかねぇ。やってみないとわからないけれど、まあ、正面からやってやることはないだろ。俺だけ行って来るから氷姫。例のやつお願い」


 永遠さんの言葉に氷姫はこくりと頷いた。

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