(仮)・めがね・注文の多い

「それでどうするんですか。あのパンダさん」


 お酒なのかわからにけれど、勢いよくなにかを飲んでいるパンダさんの白い部分がなんとなく赤くなっているように見える。だからお酒なんだろうと思う。


 今いるのは学校の近くにあった食堂だ。店主はパンダさんを見ても驚きもしなかったあたり、店主もここの住人だなぁと感心してしまった。


「どうもしないよ。ただ見ているだけさ」

「見てるだけって一体全体どういうつもりなですか」

氷姫ひめは注文が多いぁ。やることはやったからゆっくりまてって」


 注文の多いつもりはない。それ言ったら永遠とわさんのほうが注文が多い。それもすべて見自覚なのだろうか。そうだとしたら怖いけれど永遠さんっぽいなとも思ってしまう。

 それでもやることやったという言葉に力があってその行動を信じてしまうのは永遠さんの魅力だとは思う。たすくさんは行動自体に説得力があったけれど永遠さんは態度だ。ふたりが一緒に戦っていたのだと思うと胸が熱くなったりもする。


「そういえばなんで急にめがねかけてるんですか。それも意味があるんです?」


 永遠さんの変身能力の一部なのだろうけれど気になってしまった。女子生徒の姿をしている永遠さんいあまりに似合ってもいる。


「これなぁ。ほんとは嫌なんだけれど、今の力を使うには必要でなぁ。おっと。そろそろ来たみたいだぜ」


 入ってきたのはパンダさんだ。隣にいるパンダさんとは違うような気もするがほとんどおんなじにしか見えない。おそらく奥さんなのだろう。パンダさんの奥さん(仮)といしておこう。


「私を呼び出したのはあなた?」


 パンダさんの奥さん(仮)はパンダさんに一瞬だけ視線を送ると迷いなく永遠さんの方に近づいてきてそういった。

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