の逆襲・給食・元子役
「物語関連の事件は一通り追っているんだよ。元子役が物語の力を使って天才的な才能を開花させていることも。プロボクサーが先読みの能力を使って世界チャンピオンになったことも。この間のビルにおける爆破事件も、君の上司がそちらのお嬢さんを目覚めさせたことも、もちろん魔女がひとりこの世界から消え去ってしまったことも。物語から生まれた奇妙な少年ふたりが何者かによって消されかけたこともね」
次々とライオンの口から放たれる言葉にさすがの
「それで。消されかけたふたりのことだけれども。正直言えばわからない」
身構えていたのにも関わらずライオンから帰ってきた返事に思わず肩を落とす。それは永遠さんも同じだ。
「もったいぶっておいてそれかよ。こんな奥深くまでやってきてなんの情報もないなんてとんだ無駄骨を折らされた」
「まあ。まあ。落ち着けよ。わからないなりもの情報はあるんだよ。でもただで教えるわけにはいかない」
「はあ?なんだよ。俺たちになにをせびるっていうんだ。たいしたものなんか持ってはいないぜ」
口をはさむ余地がない。話が進んでいくのを氷姫はただ見ていることしかできない。それこそ給食を目の前にして待たされている小学生のようだ。
「最近上で不穏分子が活動しているという情報がある。しかし確信がもてないし、どこのだれが扇動しているのかもわからない。ここまで誰にも気づかれずにやってきた君たちだ。それくらいできるんじゃないかな?」
「なんだよ。依頼ってことか。いいのか。俺たちを信頼して」
「いいさ。それだけ知りたいことがこの手の中にあるのだから。大体失敗してもこちらにデメリットはないしね」
大人の会話はどんどん進んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます