初体験・バックダンサー・正々堂々
「たっく。正々堂々と戦ってくれれば勝ち目もあったのによー。あのおばさんなんであんな簡単に逃げたんだろうなぁ」
そんなの目的が
でも、気持ちはわからないではないので、それをわざわざ口にはしない。真正面から戦えていればと思うと悔やまれる。
「で、なんでここにこなきゃいけなかったんだ?」
場違いなのは間違いない。永遠が疑問に思うのも無理はない。ここの場所に馴染んでいるのは
「すごい……」
こんなもの見るのも初体験だよな。時間があれば思う存分遊ばせてあげたいのだけれど。隆司くんが心配なのでそうも言ってられない。
ここは割と大きめの遊園地だ。ここにあの魔女の存在を知っている人がいるのだという。でも、どこにいるかまでは
「また、今度ゆっくり来ような」
あたりを見渡すけれど。あいまいな人物像と名前を聞いただけだ。それだけで探せるはずもない。事前にアポイントメントを取りたかったのだけれど、それもできないと勉さんに言われてしまった。
「うんっ」
嬉しそうにする氷姫に気合が入る。なんとしてでも隆司くんを取り返してここにもう一度来るのだ。
夕方近くになってパレードがあたりを騒がしくし始めた。豪華絢爛なそれにメインの登場人物とバックダンサーが乗っている。
氷姫の注意がひかれすぎる前にその場をあとにした。
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