最前線・すてきなすてきな・山盛りグリーンピース
気がついたときには、観客の目とか気にしないで飛びだしていた。
正直誰が狙われているのかもわかっていない状況。でも、やれることは殺意の前に立ってそれを受け止めることだけ。
「
これをなんだと思っているのかわからないけれど。
最初はざわついていた観客もその隆司くんの声で何かを悟ったかのように一斉に拍手し始める。どうやら演出のひとつだと思ってしまったみたいだ。
できれば逃げてほしかったんだけど。パニックになって誰かが怪我をするよりかはマシなのかも知れないと思い直し。目の前の相手に集中する。
男性。身長は180くらいありそうでスラッと伸びた手足はとてもじゃないけれど、重たい剣をしっかりと支えられてはいない。剣をまともにふったことなんてなさそうだ。
佑は転職能力を使って同じような騎士の姿に姿を変える。最前線で戦っていたからかレベルが上ったからなのか戦士から上の上級職に転職できるようになったんだ。そしてそれは、この舞台によく馴染んだ。
「おおぉ!」
舞台上で急に衣装が変化したのだそれは当然驚く。でも観客はそれを演出だとしか認識していないのだろう。
これなら世界から排除される心配もなさそうで、安心して立ち回れる。
「なんてすてきなすてきな舞台なの」
「くっ。貴様!邪魔をするなぁ!」
そう言って切りかかってくるのは当然のように遅くて
当たるはずもなく。
「ふっ」
余裕な演技をしてしまう。これなら楽勝だ。
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