くん・わたしの頭の中の・中学生

「はっ。案外、大したことないのな」


 スーツ姿の男たちが転がっている中央で永遠とわが手についたホコリを払っている。


「ほら、応援が来る前にホテルに入ろ」


 戦いを見ていただけの夏希なつきが先を急いで進んでいってしまう。

 ホテルのなのだから他の人がいるものだと思っていたのだけれど、まったくそんなことはなくて。中には誰もいない。


「あなた達がが決勝ステージ進出者ですね。話は聞いています。ですが、ここから先に進みたければこのわたしを倒してからです」


 だれもいなかったはずのホテルのフロントにひとり立っていた。口ぶりからしてたすくたちがここにくるのを予め知っていたことになるし、まるでこれ自体が決勝ステージだといわんばかりだ。


「わたしの頭の中は地獄ですので、ご注意いただければと思います」


 丁寧に手の内を明かしてくれるその余裕が怖いし、そもそもこちらの想定を超えてきている出迎えなのだ、不気味さがただよう。


隆司りゅうじくんからの伝言を伝えるよ。永遠。夏希。佑の順だよ」


 突然現れた喜美子きみこがそんなことをいいはじめる。


「よくわからないけど、彼、予知能力でもあるのか」


 勉さんからそんな話は聞いていないが、なぜだろうか言うことに従っておいたほうがいい気がした。


「じゃあ、俺から行くぜ」

「最初は中学生ですか。いいでしょう。地獄のステージの始まりです」

「中学生なのは見た目だけだけどな」


 女子中学生のふりふりした男が一歩前に出ていった。

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