ふんどし・OK・魔法の
「おい。お前も手伝え。この数はやばいって」
それでもやっぱり黄昏時が終わることなく、終わることのない物語たちの暴走は口で言ってはいるが、この男が加わったところでどうにかなるとも思えなくなってきている。
「ああ。とりあえず自分の身も危なそうだしな。やるよ。ただし期待はするなよ。こんなに数が多いのは初めて出し、意味がわからん。世界が終わっちまったのかと思うぜ」
終末というのはこんな光景なのだろうかと思うほど様々なものが街に溢れている。それこそ人が想像できて世界が壊れないものならだいたいある気がしてしまうくらいだ。
「とりあえずあのふんどし野郎でもやってくるか」
そう息巻いて向かっていくのをただ後ろから見送りながら絶望だけは蓄積されているのを感じる。
魔法の力にも限界があり、それが近いのもある。そもそも物語の力なんていうのがなんのリスクもなく消費続けることができるわけもなくて、体から力が抜けていくのは感じてはいるのだ。
「おりゃ」
力技でふんどし野郎を張り倒している彼を見ていると少しでもなんとかしなくちゃという焦りだけが溢れてくる。
普通の人はもうどこかへ逃げたか、暴走した物語たちにどうにかされてしまっている。
黄昏時が終わればそれがなかったことになると信じているものの、こんな状況になったことがない以上、それを信じ切ることもできない。
万事OKだと思いこむことにするけれど、救いがどこからか降ってこないかと願うばかりだ。
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