隠しごと

お題：プロの人間 制限時間：15分

隠しごと

「これはプロによる犯行だわ！」

　立ち上がる少女。

「授業中ですよ」

　それに対して、教師苦笑い。

「授業よりも大切なことがあると思います」

　その想いは届かない。

「例えば、それはなんですか？」

　騒がれても困るので教師は問う。

「食欲とか、性欲とか？」

　酷いくらい真面目な顔だった。

「食欲はともかく、授業中に性欲に溺れるのは感心しませんね」

「えっ？　先生いつもあたしの胸ばっか見てくるじゃん」

　ざわつく教室内。

「し、してませんよ。冗談は言うものじゃありません」

　顔をそらす教師に、

「じゃぁぱんつはどうですか」

　スカートの前面をめくり、ぱんつを晒す少女。

　男子たちの興奮が上がった。

「やめなさい！　はしたない！」

「本当にやめていいのかなぁ？」

　ほら、あなたもやりなさいと隣の少女がつつかれ、立ち上がり同じようにスカートの端を持ち上げる。それが連鎖して、やがて教室内の女子がぱんつを晒した状態になった。

　男子たちは、興奮が高まりすぎて、鼻血を出すものが続出する。

「やめなさい！」

　教師は赤面して、注意した。

　そして、

「ところでプロの犯行というのはなんなのでしょう」

　突如として落ち着き、少女の問いかけを思い出す。

「先生、それはぱんつより大事なことなのですか？」

　ぱんと手を叩くと、女子たちはスカートから手を離し、着席した。

「えぇ、そうしなければ、あなたはおそらく暴走し続けるのでしょう？」

　教訓だった。

　少女は日々おかしなことをする。

　それを知らない教師じゃない。

　だからこそ、最初の問いに戻った。

「AVに出てる女優と男優はすごく演技っぽい気がして、生ハメを見た時プロって思ったの」

　少女は思い出す。

　河原の隅で青姦に励む生徒たちの姿を。

「素人ほど、プロに近いものはないと思うの」

「そうなのですか？」

「だから、先生あたしと性行為してみない？」

　ピンク色の声が教室内で響いた。

「しません。したら、逮捕されます」

「大丈夫よ。先生にされたことはバラさないから」

　はぁというため息。

「ここで既にバラされてるじゃないですか」

「でも、やったかどうかはわからないじゃない？　もうやってるかもしれないし」

　にやりと少女が笑う。

「聞かなかったことにしますので、あとで指導室にくるように」

「うん」

　少女もそして、着席した。