ノーマルエンド
「えーっと……」
「はい」
「その、なんだ……」
「はい」
勇気を絞りだして告白しようと息を大きく吸った瞬間、ガラガラと誰かが教室のドアを開け放った。
「お二人さん、お勉強頑張ってる?」
おっとりとした柔らかな声。顧問のおばちゃん先生だ。
ビクッと派手に反応してしまった俺たちは、真っ赤な顔で先生を凝視してしまう。
タイミングを考えてくれよ……。なんでこのタイミングなんだ……。
「あら? もしかして、お邪魔しちゃったかしら」
ニコニコ笑顔で全てを察した先生は、ゆっくりと扉を閉めていく。
「ごめんなさいね。二人とも、頑張りなさい!」
サムズアップと笑顔が消え、青春ねぇ、と楽しげに呟きながら立ち去っていく音がした。
その頑張れという応援は、絶対に勉強じゃないですよね……。
恥ずかしい。猛烈に恥ずかしい。穴があったら入りたい。
「先輩……」
「お、おう……」
「勉強しましょうか」
「おう……」
「続きはテスト後にでも」
「おう……」
その後のテストは全く集中できずに悲惨だったことは述べておく。
なお、告白はOKでした。
<ノーマルエンド>
===============================
一話完結型のラブコメはコレクションにまとめておりますので、ぜひそちらもどうぞ!
https://kakuyomu.jp/users/Crohn/collections/16816452219426191625
こちらは複数話ある完結済み作品のコレクションです。
https://kakuyomu.jp/users/Crohn/collections/16816700427171698355
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます