叶っちゃった

 困ったときの神頼みなんて叶うはずが無い。だから、はじめから口に出してしまっただけの願い事には期待していなかった 。だがしかし。

 起きた瞬間、紬は自分の部屋の床に赤ちゃんらしきものが寝転がっているのを見た。……赤ちゃん?思わず自分の頭に手を添えてしまう。ベッドから降りて恐る恐る近づく。黄色のロンパースを身にまとった赤ちゃんらしきもののそばには一枚のカードが落ちていた。手に取ってよく見る。

「注 あなたが願ったことです。」

 その瞬間、カードがガラス細工が弾けるが如く割れた。その破片は空中を舞い落ちる最中塵になって消えた。

(私が願ったこと、それは……友達?まさか……)素早く赤ちゃんの方を振り返る。一歳くらいの黄色いロンパースを身にまとったベイビーが床ですやすや眠っている。

(この子が私の願った友達……?)

「叶っちゃった……?」

   

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