第28話


 ―――風が吹き抜けるのと同時に

 大気を高く震動させるその揺れは、レヴェナントの精神を直接爪で掻き毟るような

 不快感を与える

 レヴェナントは、不快な表情を浮かべつつも周囲を見回した


 半ば呆然と注目し立ち止まっている通行人達は、様に

 移動していた

 先ほどまで激しい闘いがあったはずにも関わらずだ

 視線を地面に向けたレヴェナントは、一瞬ぎょっとした表情を浮かべ

 何かを拾った


『 最後のは『 変異種』かにゃ?』

 レヴェナントの脳に黒猫の声が響く

「 そして、その取り巻きの『上位種』さ

『 変異種』の『魂喰いソウルイーター』まで出現率が高くなるとは・・・」

 レヴェナントは、脳内でそう返答する

 その表情は嫌悪感を隠してはいない

『――全員退治したのかにゃ?』

 レヴェナントの脳に黒猫の声が響く



な魔石を拾ったよ

 それにな風景をみれば、そういう事だよ」

 レヴェナントは、脳内でそう返答しつつ、手に入れた魔石に視線を向ける

 それは魔素を多分に含んだ希少な鉱物だ

 魔素を魔力として放出する効果があるため魔法学的に、使用方法は幾つもある

 ただ、そう易々と手に入れるのは困難なため、市場に出回っても金貨100枚

 ほどの値段だつけられている

 死に戻りリスタートを繰り返しているレヴェナントでも手に入れたのは、

 ほとんどが絡んでいた


したということにゃね』

 レヴェナントの脳に黒猫の声が響く

 、一体どれほどの

『上位種』や『 変異種』が人間や幻想種族を捕食し、それぞれの

 社会に紛れ込んで寄生しているやら・・・

 今回のは、まだを発揮してはいなかった様だけど、これが

』系の『 変異種』レベルだったらと考えると・・・」

 レヴェナントは、脳内で黒猫に対して返答し、冷汗を拭う仕草をする



『630,403回の中で78回にゃ』

 レヴェナントの脳に黒猫の声が響く

『・・・何が?』

 脳内で響いた黒猫の言葉に対して尋ねる

『『』の『 変異種』との闘いで死に戻りリスタートした回数にゃよ

 78回中5回、の脅威を世間に広く訴え、

『冒険者ギルド』と周辺諸国の国家組織力、そして用意周到の準備で掃討作戦を

 行ったにゃ』

 レヴェナントの脳に黒猫の声が響く

』系の『 変異種』を一匹討伐するのに、少なくとも6000人名以上の犠牲を出したけどね」

 脳内で響いた黒猫の言葉に対して、そう応えた




 この『異世界』に棲息する、多くの魔物には『難易度』変更前から、

 元々からそれぞれ別称が付けられている

 通常の魔物を全般に称されている『通常種』

 違う体色と行動パターンを取り、総じて高い能力を持つ魔物全般に

 付けられている『上位種』

『通常種』『上位種』の総合的な能力を格段に向上させ、繰り出す攻撃や

 行動パターンも未知な魔物全般に付けられている『 変異種』

 そしてレヴェナントが言った『歴戦個体』は、さまざまな理由で群れや

 棲家を追われ、長い渡りを続けるうちに知恵と経験を積んだ魔物に

 付けられている


 総合的な能力も『通常種』『上位種』『 変異種』よりさらに格段に向上し、

 生半可な魔法や罠、武器での些細な攻撃では太刀打ちはできない

 もっとも、『上位種』 『 変異種』 『歴戦個体』の魔物に遭遇する率は

 それほど高くはない

『歴戦個体』系の『 変異種』になればさらに遭遇率は低くいのだが、死に戻りリスタートを繰り返すレヴェナントには、

 している気がしてならない様だった


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