第17話
門から延々と続く大通りの道路は石畳で綺麗に整備されていた
幅7メートルほどの真っ直ぐに伸びた道の両脇には、木造の建物や石造りの建物が一定間隔ご建てられ、通りを行きかう人々の職や種族も様々だ
外壁が円状に都市を覆って構成されているにも関わらず閉塞感は無く、
広々とした空間の使い方がされている
防壁では、そこについている階段を登っている警備兵らしき存在もある
遠くの方では2階建てや3階建ての立派な建物も沢山存在していた
大通りでは商人達の荷馬車や買い物客でごった返していた
脇には、ずらりと旅客目当てや冒険者目当ての露店や出店が立ち並び、
食欲をそそる匂いを漂わせ、またはさまざまな商品が並べられて道行く人々を
楽しませている
焙られる肉から滴る脂の香り、甘い焼き菓子―――何処にでもありそうな
食べ物から見た事もない異国情緒溢れる物まで千差万別だ
中には一見すると何に使うのか分からないような代物が並んでいたりもする
見渡すだけでも、あちらこちらで呼び込みや交渉、威勢のよい声を放つ人々の
光景が広がっていた
売り手も行きかう人々の職や種族も同様だ
威勢よく声をあげている背丈は低く筋肉質のドワーフ商人がいるかと思えば、
耳が長く人間に似た美しい外見のエルフが演舞でもって客引きを行う
わずかに尖った耳が特徴で、足裏の皮が厚く毛に覆われているため靴を履かずに、
俊敏に走っては果物を売りつけ回るホビット
ドワーフとよく似た体系だが、ヤギのような角を頭部から生やしているノームが
懇々と説法を垂らす
耳が長く人間に似た美しい外見で褐色肌のダークエルフの商人に、猫に近い容姿で
二足歩行のフェルパーが値引き交渉を行う
また冒険者らしい一式装備の、トカゲが二足歩行したようなリザードマン、
ドラゴンが小型化して二足歩行したようなドラコン、イヌが擬人化して二足歩行したようなラウルフ、全身体毛だらけの正体不明の種族のムークなど実に多種多様だ
そしてそれらの人種が入り交じり商いを行っている
「いつ見ても賑やかだね」
そんな気配を見渡し、鼻をひくつかせたレヴェナントが囁く様に言いつつ、荷馬車や買い物客でごった返す大通りを縫うように移動する
『恐怖のどん底に叩き落し、大混乱を発生させたりもしたにゃ』
黒猫の声が、レヴェナントの頭の中で響く
「―――管理人さんの難易度変更のためか、やはり何処か
影のある表情だね」
レヴェナントは露骨に話題を反らす様に、そう囁く
『神様にゃ』
黒猫はじろりと睨みつけるように、レヴェナントに視線を向ける
もちろん声は、レヴェナントの頭の中で響いた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます