第8話
――――真昼でも暗く不気味な森を黒猫と蛮族一式装備の男性が歩いていた
森の木々がややまばらになった辺りの高い枝の上で、黒いものが
羽ばたきの音共に飛び立った
しんと静まり返っていた森の中、羽ばたきの音が木霊して広がる
蛮族一式装備の男性は少し驚いた様に上を一瞬だけ見上げると、視線を頭上から
後ろに向けた
視線の先には、異様な集団の姿が
地面をえぐる小川を飛び越え、ツタがからまる木の根を乗り越えるという獣道
にも関わらず蛮族一式装備の男性一行は、まるで幾度もこの場を通っているかの様に歩いていた
「魔物との遭遇はいつも通りか」
男性は少し立ち止まりつつ言うも、視線は魔物の気配を見逃さない様に
油断なく見渡している
『このままいつも通りなら、あの最初の服装で移動するつもりだったの
かにゃ?」
男性の少し前を歩いていた黒猫が喋りつつ立ち止まった
男性が何か応えようとした時、わずかに空気が揺れるのを感じた
その先に視線を向ければ、隠密性能に優れている忍び装束を着込んだ
者が、静かに跪いていた
『
ここより40メートル先に、武装した集団が』
白い狐面を貌に被った、その者が短く報告する
「にゃんこさん
武装した敵に心当たりがあるんだけど?」
蛮族一式装備の男性が告げる
『毎回同じなら野盗にゃ
しかし、何時ものと違がければ別の何かかも知れないにゃ』
黒猫が喋る
「ゴブリンとか?」
蛮族一式装備の男性が微妙な表情を浮かべつつ告げる
『しかも上位種とかにゃ』
黒猫が喋る
「嫌だなぁ・・・
いつも通り野盗だと良いなぁ。 それなら銭を毟れるし」
蛮族一式装備の男性が不安そうな声で告げる
『毟りに行くのかにゃ?』
黒猫が喋る
「
銭は引き継がない仕様
管理人さんは、ちょっとケチだと思う」
蛮族一式装備の男性が真顔を浮かべつつ告げる
『神様にゃ
それならあの防具や回復薬など売ればいいだけではないかにゃ?」
黒猫が喋る
「何度か
もらったけど、
その後にややこしい事や面倒な事に巻き込まれ続けて、
蛮族一式装備の男性が何かを思い出す様に告げる
『ほんの最初の
良くて炭鉱奴隷や農奴として捕らえられたりもしていたにゃ』
黒猫が喋る
「その経験も、今に生かされているよ」
蛮族一式装備男性はそう応えると、武装している集団がいる方向へと歩いていく
その場所も把握しているかの様にだ
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