第2話 死の使いからの誘い



(駅の中で どうしてかそんな顔をしているお客さん)


(私はその人の肩を叩いて 話しかけるの)


 死ぬのが怖い 痛いのが嫌だっていうのなら

 私があの世に連れていってあげる


 この電車に乗ればすぐ

 あの世の住人の仲間入り


 現世に未練なんてないでしょ

 傍にいたい人間なんていないでしょ


 手を引いてつれていってあげるわ

 怖いなら目隠しもつけてあげる


 踊るように ステップ踏んで誘い込む

 笑う様に 鈴の音転がしながら


 さよならの利点ばかり語るの


(元気付けると思った? そんなわけないでしょ?)


(だって私は死の使いなのだから)


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