第28話 ベーシック・インカム(負の経費削減)
さて、ベーシック・インカムを実現する為の、近未来の財政問題。
平たく言えば、生きて行く為に、どうやってお金を確保するのかを、「設計の予言者原作、場末の予言屋編集」でお送りしよう。
財政について設計の予言者が提示しているのが次の二点だ。
「犯罪が極端に減少する。」
「税金が無くなる。」
まあ少々、頭がお花畑な予言ではあるが、近未来の電脳世界と大きく関わる。
まずはここの命題、「負の経費」の説明から入ろう。
「負の経費」もちろん、場末の予言屋による造語である。
(負の経費)
これは、人間が生きて行く為の経費、製造や流通、販売などの生活インフラ、さらに娯楽や文化等を維持する為の経費。
これを「正の経費」とした場合の反意語、それが「負の経費」である。
負の経費とは、人類が犯罪や戦争などを行う事に対し使用するお金。
実際に犯罪や戦争に加え、事故や災害などで受けた損害。
それに加え、犯罪や戦争、事故に災害等を防止する為に使うお金等を指す事とする。
また「負の経費」には犯罪や戦争の他、設計の予言者が目指す信用社会・信用経済から見た場合の不必要な経費を含む。
例えば、裁判関係に絡む経費、伝票や受領書、帳簿や書類保管など事務にからむ経費など、「信用社会・経済であれば省略する事が可能になるもの」を「負の経費」に設定する。
なお、全てが「負の経費」とは言えないが、「各種の税金とそれにまつわる経費」も、負の経費と見て改善が必要である。
そこで場末の予言屋からの「財源の確保」のナンチャッテ回答はこれだ。
我々の社会から、「負の経費」を如何に削減するか、財源の確保はこの一点に絞られる。
さて、ここに矛盾がある事に気付いたと思う。
ベーシック・インカムの財源を確保する為に「負の経費」を削減するのは分かるが、税金を削減する事は、かえって財源を減らす事になるのではないか。
至極ごもっともである。
そんな訳で、まずは税金の話題からと行きたいところだが、助長になり過ぎるので次に譲ろう。
まずは「負の経費」の候補を、ザット列挙してみよう。
まずは防犯の関係から
軍事費 5兆円
警察年間予算 3420億円
SDGs関係
日本の食品ロス 11兆円
ゴミの排出量 5億トン(経費は捜せませんでした)
必要ではあるが国家予算を圧迫している三大福祉。
医療費 43兆円
年金 52兆円
介護 10兆円
三大福祉計 105兆円
犯罪に絡みの損害 ※マスコミで比較される代表的なもの。
(年間被害額対比)
特殊詐欺 364億
無断キャンセル 2000億
万引き 4615億 ※検挙数 61000人
上記で犯罪としてマスコミで取り上げられているのが、日進月歩で進化し、イタチごっこを続ける「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺。
震災やコロナウィルスの被害者に、追い打ちを掛けるような事件もあり、犯人達に憤りを感じている人も多い事と思う。
しかし、現実は少々異なる。
確かに特殊詐欺事件には腹立たしいものが多いのは確かだが、被害額をみる限り、社会に対する損害は極小さい。
それに比べ、事件性の乏しい旅館や宴会などの無断キャンセルや、軽犯罪に属する万引きなど、その被害額はケタ違いだ。
その規模は特殊詐欺と比較して、無断キャンセルで5.5倍、万引きに至っては13倍弱に及び、「万引き倒産」の憂き目に合う店舗や会社も少なくない。
特殊詐欺と万引き、どちらが社会に損害を与えているのかは、一目瞭然である。
これはひとえに「分母の違い」に起因する。
分母の違いと言えば、国民全体が恩恵を受けている福祉、総額は105兆円を越える。
特殊詐欺の360億円など、吹けば飛ぶほどの巨大さである。
これは犯罪を見ても明らかだが、我々一般ピープルが出来心で起こしてしまいそうな軽犯罪、万引きと無断キャンセルだけでも、特殊詐欺の20倍程度の損害となっている。
これが福祉になると、さらに金額が跳ね上がる。
国民一人一人が、福祉の無駄遣いを避け、不正受給などを行わないようにすれば、すぐに「兆円単位の、負の経費削減」につながる。
ここから見えてくるものは、重犯罪者をスケープゴートにするよりも、我々一人一人が姿勢を正す方が、どれだけ社会に貢献できるかである。
この辺りは、「最後の審判」のところで取り上げていた、宗教的倫理や道徳などの、お堅い教育も必要となって来るところだろう。
なお、皆で姿勢を正して行く事には、もう一つの利点がある。
これは単純な統計学ではあるが、軽犯罪が減れば減る程、それに正比例し重犯罪者も減る計算となり、まさに一石二鳥である。
負の経費削減とは、これらの積み重ねの事を言う。
ただし、現実世界では「負の経費削減」が困難である事も、否み得ない事実であると考える。
この対策に関しては「近未来の電脳世界」にまかせるとして、次は税金問題に言及して行こう。
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