特別編 真優の備忘録3『院内 除細動適応ALS』

【ALS(二次救命処置)】


 モニター装着完了と共に


『モニター確認します。一度手を停めて下さい』


 ……と言って脈拍を触知し、10秒以内に心停止の場合の4つのパターンかどうかを確認する。


 先ず『CPRを再開して下さい』と言ってから、以下の状態を宣言する。


除細動器適応

 ①VF:心室細動

 ②無脈性VT:無脈性心室頻拍


除細動器適応無し

 ③PEA:無脈性電気活動

 ④心停止:asystole



〇除細動器適応(VF・無脈性VT)の場合


 除細動器到着時、電源を入れ


『VF(または無脈性VT)です。 VF(または無脈性VT)の治療を開始します。 除細動器の適応です!』


 ……と宣言する。


 除細動器の電圧を150Jに合わせる。


『離れて下さい』


 パドルを患者の所定位置に当て『充電します』と言いながら充電スイッチを押す。


『私大丈夫、酸素大丈夫、周り大丈夫、最終波形VF(または無脈性VT)です。 通電します!』


 安全確認後、スイッチを押して除細動を行い、直ぐにCPRを再開する。


 自分、あるいはどなたかに、2分間測定して貰う。


 次の除細動前に静脈路を確保し、アドレナリンを準備する。


 最初の除細動で心拍が復帰する場合があり、ここでアドレナリンを投与してしまうと血圧が上がりすぎてしまう危険があるので、未だ投与しない。


 2分後、脈拍とモニターを確認し、変化が無い場合、初回より電圧を上げ、200ジュールにセットし……


『離れて下さい』


 パドルを患者の所定位置に当て『充電します』と言いながら充電スイッチを押す。


『私大丈夫、酸素大丈夫、周り大丈夫、最終波形VF(または無脈性VT)です。 通電します!』


 必ず周りを見回して安全確認後、除細動を行い、直ぐにCPRを再開する。


 アドレナリンを1ml投与後、20mlの生理食塩水、あるいは輸液を全開で30秒投与して後押しし、アミオダロンの準備を行う。


 2分後、脈拍とモニターを確認し、変化が無い場合、200ジュールにセットし、除細動後、直ぐにCPRを再開する。


 アミオダロン300ml後、20mlの生理食塩水、あるいは輸液を全開で30秒投与して後押しし、アドレナリンの準備を行う。


 2分後、除細動 → アドレナリン投与


 2分後、除細動 → アミオダロン150ml投与


 ※アドレナリンは極量なしの為、複数回投与可能だが、アミオダロンはこれ以上投与出来ない。

 

 2分後、除細動 → アドレナリン投与


 ……患者に正常な呼吸や心拍が戻るまでCPRと除細動、アドレナリン投与を繰り返す。


 自己心拍再開(ROSC)後も呼吸に留意し、必要に応じて人工呼吸を継続する。

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