第2話 文化系

 検査室に戻り、3時のおやつの時間……


 先輩達に、はっしーとICLSに参加する旨を伝えると……


 一瞬、場がフリーズした。


 ……なっ、なに? なに!?


はるか……『文化系』だよね……」……深田先輩が、普段と違う低〜い声で聴いてきた。


「……はい……バリバリの……」


『バリバリの文化系』って表現も変だが、そんな事を聴かれるのも普通じゃないぞ!?


「ICLS……って、そんなにキツいんですか!?」


 ……五木いつき技師長ぎしちょーが……


「『キツいんです』」なんてぇ〜のは、物の疑りだよ! ICLSはキッツいぞぉ〜」


 ……それを聴いて、私はおやつのサーターアンダギーを落としそうになった。


 私の身体は、神経系、骨格系、筋肉系、呼吸器系、更に循環器系に至るまで、『運動』をするように設計されていない。 つまり平たく言えば、運動は苦手なんだぁ〜!←声を大


「これは、特訓が必要かもねー」


 と、おっとりした口調でみやこ先輩が言った。


 ……都先輩の身体の仕様も、私に負けず劣らず運動に向いていなさそうだ。


「都さんもICLS講習を受けたんですか?」


「……無理無理! 私には到底無理だから受けて無いよー」


「都さんが無理なら、私も無理ですよ〜」


 ……と、私が半ベソをかきながら言うと……


「遥は、まだ若いんだから受けておいた方が良いよー」


 ……と返された。 


 ……あのぉ〜……若いったって、貴女あなたと2つしか変わりませんよ?


 深田先輩が……


「よ〜し! 今日……いや、明日から放課後は特訓だ! 明日は動きやすい服装を持って来るように! ……そうだ! はっしーにも声をかけて来よう!」


 ……と言って、喜び勇んで、お向いの放射線レントゲン科に入って行った。

 

 深田先輩はバリバリの体育会系だからな……。


 それにしても『放課後』に『特訓』〜!?


 学生時代、対岸の火事と思っていた事を、社会人になった今になってからやる羽目になろうとは〜(泣) 

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