第6話 なんともびっくりな共通点
「ほら、入っていいぞ」
「うん・・・・ありがとう」
また素直になった、コイツの変化の原因がいまいちわからん・・・
「っていうか、俺が許可して部屋に入るのってこれが初めてだろ‼︎」
そう言えばそうだ。今まで2回とも勝手に入ってきて、そして勝手に乗っかってきている。
いやいやそもそも、知らない人の上にまたがるってのはいったいどう神経の持ち主なんだ?
「そ、それは・・・そうね、悪かったわ・・・今まで」
「ああ、わかった。許してやる。だからもう他の奴にはこんなことしてやるなよ?」
「は、は?・・・・わ、わかってるわよ・・・」
なんだコイツ、いきなりモジモジし始めたぞ?・・・あ、そうか場所わかんねーもんな
「ん、トイレはそこの階段の脇の扉だz・・・・」
パッチーン
「ば、バカー・・・違うわよ‼︎このノンデリやろー」
えー・・・なぜに殴られた?っていうかノンデリって何?もしかしてトイレじゃなかったの?・・・・・で、なんで殴られたの?(二回目)
「なんか知らんが、悪かったな。ほら、俺の部屋に行くぞ」
「はー、もういいわ。あんたがそう言う人間だってことがよくわかった」
「?」
「いちいち気にしてたら、こっちが疲れちゃうし・・・」
ガッチャ
「改めてどうぞ、ここが俺の部屋だ。もう見慣れた光景だろ?」
「そうんなことないわよ、男の人の部屋って入ったことないけど・・・まだ二回しか入ってないんだし」
「そうか、ならきたねーけどごゆっくり?」
「なんで疑問系なのよ」
そう言えば、俺も女の子を自分の部屋に入れたのって・・・・・初めてじゃね?学生時代もずっと男どもとしか付き合ってなかったしな・・・ち、違うぞ?俺は至って、ノーマルな人間だ。ちゃんと?お、女の子がす、好きだし?
「あんたって、大学行ってたんでしょ?」
「ん?・・・ああ行ってたぞ」
「なんの大学に行ってたのよ」
「あー、それわだな・・・」
「ん?」
「辞めた身だから自分から言うのは恥ずかしいんだけどな?」
「うん」
「音大に通ってたんだよ」
「へ?・・・・・へ、へーそうなんだ・・・すごいわね・・・」
なんだよ、その反応は・・・だから言うの嫌だったんだよな
「すごくなんかねーよ」
「そこで、何やってたの?」
「やけに気にするな、そんなに気になるのか?」
「ええ、一日中家の中で過ごしている人がその前にいったい何をやってたのかすっごく気になるわ」
「うっわ」
何こいつ、すっげい失礼なことをすらすらと悪びれもなく言いやがって・・・俺だって傷つかないわけじゃないんだぞ?
「で?何やってたの?」
「何って・・・・・・ヴァイオリン・・・だよ」
「ヴァイオリンですって?」
「なんだよ・・・」
なんか思ったよりすごい反応されたんだけど・・・
「私のお母さんも、ヴァイオリンやってるのよ」
「ん?へー、そうなのか」
「ええ、なんかベルリンでオーケストラ?に入っていたらしいわ」
ベルリンでオーケストラ?・・・まさかな、他にもあるだろうし・・・
まさか、ここで聞いた話がのちに大きな事件に発展しようとはまだ誰も・・・
みたいな展開になったらなんか面白そうだよね
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます