第3話 未知との遭遇

「それで、お前はこれからどうするつもりなんだ?」


「これからって?」


「ここにずっといるわけにもいかないだろ?」


そう、コイツの今後の行動によっては何かしら考えておかなければいけないからな。


「うん」


ピーンポーン


「ん?」


誰か来たな・・・あ、もしかして


『スイマセーン』


「・・・あ、」


やっぱり、コイツの母親か。


『はーい』


『スイマセン、今ウチノ娘ヲ探シテイルンデスケド』


スッゲーカタコトだな、なるほどお母さんの方が外国人なのか・・・娘ともども可愛い声してるな


「どうすんだ、確かに勝手に決められことかもしれないけど・・・あんなに一生懸命お前のこと探してんだ、心配かけずにそろそろ帰れ」


「・・・うん、わかった。じゃあ、下まで一緒に来てくれる?」


「はあー、まったく・・・しょうがねーな」


なんかコイツ、母親が来たあたりから急に大人しくなりやがって・・・ちょっと調子狂うじゃねーか


「うん、お願い」


「ほら、行くぞ」


「ちょ、ちょっと・・・あんたその格好で行くつもりじゃないでしょうね・・・」


「ん?」


ん?・・・・・・あ・・・・ヤッベ、下パンイチだった・・・えっと・・・


「・・・///」


「・・・・てへぺろ☆」


パッチーン


「えっち・・・」


「・・・な、殴ったなー親父にも以下略」


「何それ、て言うか早くズボン履きなさいよ」


え?コイツ、アム□知らねーの?やっばい・・・ちょっとカルチャーショック・・・


「よし、」


ガチャ


「ほら行くぞ」


「何仕切り直してんのよ、」


階段を降りながら、俺は見てしまった・・・そう見てしまったのだ。


「うわっ」


こんなにきれいな人がこの世にいるだろうか・・・いや、いない。腰まで伸びた美しい銀髪、すらりと伸びた手足・・・何よりも、なんだあの胸部装甲は‼︎


「あら、どうしたの?・・・あ、こちらお隣の齋藤さん。びっくりしたわよ、お隣にこんなきれいな外国の人が住んでたなんて」


「あ、ああ」


「何よ、あんまり驚いてないわね」


い、いや・・・驚いてはいるよ?別の意味でだけど、まーここで固まってても仕方ないし


「あのちょっといい?」


「なに?」


「おい、いいから降りてこい」


『だって』


「ちょ、ちょっと?達己?」


・・・・なーんかめっちゃ変な目で見られてんだけど、それ息子に向ける目じゃねーだろ


「エ、エミ?エミナノ?」


「う、うん・・・お母さん・・・」


はー、そんなやっちゃったみたいな顔すんなら最初から家出なんてすんじゃねーよ


「ちょっと達己?なんで齋藤さんちの娘さんがうちの2階にいるのよ‼︎」


「い、いやー・・・これにはカクカクしかじか色々とあって・・・」


「ふーん」


「エミ?ドウシテ横辻サンノイエニ?」


「そ、それは・・・」


言えねーよな、勝手に入ってそこの長男に跨っていましたなんて・・・跨ってたって、なんかちょっとエロいな


「悪いとは思ったんだけど、勝手に入ってあの人の部屋にずっといたの・・・」


・・・・言ったー、コイツ躊躇いもなく男の部屋にいたって言いやがったー


「ア、アノー・・・アナタハ?」


「あー、俺はここの長男の達己って言います。すいません、なんか娘さんを隠してたみたいな形になってしまって」


「フフッ、娘ヲチャント連レテ来テクレタアナタニハ・・・トテモ感謝シテイマス」


「そ、そうですか」


よ、よかったー。なんか知んないけど変な勘違いされなくてよかった・・・ほんとに


「お母さんごめんなさい・・・あと、お兄さんのお母さんも・・・勝手に家に入ったりして、本当に申し訳ありませんでした。」


「うーん、まあ今回だけ特別に許してあげます。でもこれからは、・・・・・あの子の部屋だったら自由に出入りしていいわよ?」


ん?今何か、聞き捨てならないような発言が聞こえてきたような気がしたんだが

・・・後半はこそこそ喋ってて何言ってるか聞こえなかったからなー


「は、はい」


うん、あんま気にしないことにしよう


「デハ、コノオ礼ハマタ後ホド・・・」


「いえいえそんな、お気になさらず」


「ハイ」


あ、あいつこっちチラチラ見ながら帰っていきやがった。なんか嫌な予感がするなー、でも今日はなんか色々あって疲れたしもう一眠りするかな


「ちょっと、達己?」


あ、捕まった・・・あああああああああああああああ・・・・・・・




その後達己は、母にことの顛末をじっくりと説明することになる。また昼寝の時間を削られたのであった。



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