いきなり上にまたがってきたのは、ドイツから来た少女でした

黒の底力

第1話 いわゆるこれが、初めての体験

やあ、俺の名前は横辻達己。今、俺は突然の状況にとっても戸惑っている。


「・・・おい、お前なんで俺の上に乗ってんの?」


「あ、やっと起きた」


「は?」


「ごめんなさい、ちょっと家出してて・・・ちょっとの間ここに居させて?」


いやいやいやいや


「いやいやいやいや、なんでそうなる・・・ていうか、お前誰、何、どっから家に入ってきたの‼︎」


あ、ヤッベ少し大きな声出しちまった


「えっとあの・・・隣に住んでる齋藤です。」


「え?隣の齋藤さん?・・・」


ん?齋藤さんちに、こんな若い女の子いたっけ?て言うか銀髪?いや待て、そんなことより不法侵入の方がよっぽど問題だろ‼︎


「まあいい、君の家がわかっているなら」


「いいの?ありがとう‼︎」


う、なんだその輝かしい笑顔は・・・ていうかこいつめっちゃレベルたけーな、


「で?いつまで俺の上に乗ってるつもりなの?」


「え?だって・・・襲われたりしたら困るし?それに・・・女の子に上に乗っかられるなんて、嬉しいでしょ?」


「は?」


は?何言ってんのこいつ・・・人の部屋に勝手に入ってきておいて、一体どういうつもりなんだ‼︎・・・まあ、こんな経験ないし?ていうか女の子にまともに触れたことないし?めっちゃ嬉しいけど?・・・・・・・・・・やかましいわボケー‼︎


「はー、まあいいよ。それで?なんで家出なんかしたの?」


「え?・・・それは・・・」


え、何?俺なんかまずいこと聞いちゃった感じ?・・・だって気になるじゃん?


「嫌なら、無理しなくていいぞ」


「・・・私、ついこの前までドイツにいたの」


「え?お前ドイツ人だったの?なに、その髪地毛だったの?」


「えっと、正確にはドイツと日本のハーフなんだけど・・・」


え?こいつハーフだったのか、ていうかずっとドイツにいた?こいつ日本語ペラペラじゃねーか


「すごいじゃん、ずっとドイツにいたのに日本語ペラペラで」


「んー、なんとなくアニメとか見たり漫画読んだりしてたら喋れるようになった」



「へ、へー・・・そうなんだ」


えっと・・・何?ハーフって天才か何かなの?そんななんとなくで他の言語喋れるようになるとか・・・なんかズルくね?


「そんなことより、あんたはなんでこんな昼間から寝てんのよ」


「あ、・・・んなんお前に関係ないだろ・・・」


「へー、そんなこと言うんだ・・・なら・・・」


「ぷはっ、・・・くっ・・・はっ・・・なにっ・・・すんだっ・・よっ」


こいついきなり脇くすぐってきやがった、よく初対面のやつにこんなことできるな。・・・あ、終わった。こいつすっごい楽しそうな顔してやがったな、ちょっと興奮しちゃったじゃねーか・・・・・・へ?


「どう?答える気になった?」


「こんなくだらないことでいきなり脇攻めてくんなよ」


「何?興奮した?」


「へ?・・・んなわけないだろ」


「あ、したんだ。興奮しちゃったんだ、年下の女の子にくすぐられて」


はー、一体いつまで続くんだこれ。




なんとか文句を言いながら楽しくなってきた達己なのであった。







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