番外編 その2 水上陽葵のその後
「あー、ダメぇー・・・」
「ちょっとちょっと!」
中学の同級生で、高校は別々の親友と大食いに挑戦していた。
「みずほ、なんでそんなに食べれるの?」
「ひな、これはれっきとしたアスリートだよ!」
意味わかんない。
銀髪セミロングで、目はくりっとしていて、アイドルにいそうな可愛らしい女の子。
しっかりはしているけど、たまにボーッとする事がある。
そのボーッとする所は愛嬌なので、愛される人気者なのかも。
「えっ!?あと一口分じゃん!」
「へへーん♪」
一口分の量をスプーンで掬い平らげた。
「はぁー、ごちそうさまでした!」
店員さんが飛んできて、カランカランとベルを鳴らした。
「おめでとうございます!サービスのデザートです!」
「やったー♪」
大食い成功したみずほの料理はサービスのデザート&無料となった。
私は失敗したものの、半分は食べたから半額に。
「アイス、一口?」
「はい、どうぞ、あーん」
アイス、一口。口の中で幸せが広がった。
「これで失恋がオジャンになったでしょ?」
「うん、なるなる!」
みずほは私の事を心配して、こうして一緒に出掛けている。
「ありがとう、みずほ」
「どういたしまして、
親友、最高ー!心の底から思った。
※
「んじゃまたね!」
「またね!」
みずほと別れて、ゆっくり歩く。
夕方かぁ・・・。
夕日がこの街をオレンジ色に染める。
なんだか、また感傷に浸りそうになる。
「先輩、今、どうしてるのかな・・・」
考えてしまう、大好きな先輩。
今は春休み中で会えないでいた。
自分からはもう連絡はできない。
彼女さんの事を思うと、嫌な思いはさせられない。
本気で好きだったんだなぁ・・・。
じわりと実感する。
ピロリン♪
誰からかメッセージがきた。
画面を見ると、みずほからだ。
開くと、えっ!?
思い切り変顔をした写メが送られていた。
「ぷっ・・・ぐふっ・・・あは、あはは!」
大笑いしてしまった。泣き笑いだ。
「はぁー・・・みずほってば!」
私も負けじと変顔をして送った。
秒で返事がきた。
『これで元気出たね』
私の事、よく分かってんだから。
『ありがとう』
そう送って、帰り道をルンルンでスキップした。
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