第4話:小杉登場!

朝起きてどんな夢を見ていたのか考える。

何か幸せな事…と考えていると付き合い始めたということを思い出す。

季節は秋。

木の葉が楽しい音を奏でる季節。

ようやく現れた変化に心ときめき、始まりを告げる予感がした。


いつもの通学路。

大学なので私服で、行く時間もばらばらの中、めずらしく友達を発見した。

「よ!小杉!今日も濃いな!」

「お?おはよ(笑)。お前はいつもテンション高いな。」

大学では特に仲の良い友達は5人ぐらいいる。全員男だ。

「良い話聞かせてやるよ。」と俺。

「ん?何だ?言ってみ。」

「実は俺、彼女ができたんだ。」と浮かれ気分で言った。

「マジか!本当か?お前なんかに…。」

「それは俺に失礼だろ(笑)。」と何気に突っ込み。

「お前はそういった嘘を付かないもんな。ほー。」

「さすが、わかってんジャン。」

「今度紹介すれよ。」

「ああ、いいぜ。」と俺。

「…にしてもお前がな…。」

「しつこいって!」といつも通りのボケと突っ込み合戦突入。

めんどくさいのでそれ以降の会話ははぶくが、学校まで出会えばいつもそんな感じだった。

自分の仲の良い友達は一人として誰も彼女がいない。

なのでちょっとした優越感に浸ったのだった。


付き合い始めてまもなくそれがきっかけで曲を作るようになった。

それはくさいラブソングだ。

曲作りはその前もしていたが本気で曲を作りたいと思ったことは無かった。

大学でのバンドのメンバーに『初めてのラブソング』というオリジナルソングを発表した。

それがバンドメンバーの中で大うけ。賞賛された。

そしてそれが人伝いで広がり、ついにはライブのトリをその曲でと任された。


そしてライブ当日、彼女を誘った。

自分がエレキギター兼ボーカル、大学のライブでは初めてのボーカル。

自分色に染まっていくライブ会場が印象的だった。

ライブは大成功。

彼女は泣きながらライブが終わると同時にステージに上がり抱きついてきた。

そうして夢のようなライブが終わったのだった。

そしてそれは伝説となった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る