第14話GW a gogo!その3

 さあヤエの希望通り横浜中華街まで来た、ヤエが元気にお店物色しているが……

「ヤエ、ここでは食べ歩きがおすすめだよ。ヒエも一緒に食べ歩きして美味しいお店を探そう」

「ふ~んアレ……? 気のせいか……健、何処がいいの?」

「俺は中華街カレーのお店かな」

「カレー!?」

「あるらしいよ、あっ! そこの肉まんでも食べながら探そうか」

「私はフカヒレまん!」

「私は海老まんにしようかしら」

 3人で食べながら散策すると、杏仁ソフトやらタピオカドリンクやらをヤエとヒエが堪能している。

「そろそろ私ちゃんとしたお昼にしたいわ」

「食えるのか二人共?」

「当たり前よ!」

「じゃあ広東料理のお店がそこにあるけど……げっランチセット1人4,000円もするのか!」

「大丈夫よ健! 私はこの為に旅費とは別にお金を用意したのよ」

「ヤエ俺もだすよお金、折角だ一緒に楽しもう」

「カレーは良いの?」

「気にすんなよヒエ、ヤエが乗り気だし行こう」

 3人で店に入りランチセットを頼むと、美味しそうな料理が運ばれて来る。店員さんに写真を撮っても良いと許可を貰い。ヤエが写真を撮りながら食べつつメモを取っている、仕事かな? 家庭用かな? どっちにしろ熱心な事には変わりない。ヒエは美味しそうに食べてる、そう言えば中華料理って初めて食べる事になるのか二人共。最後にデザートを食べて。

「「ごちそうさまでした!」」

 店を出ると。

「美味しかったわね!」

「4,000円だからな、ヤエは参考になったか?」

「もちろん期待してて!」

 ヤエの事だきっと何か掴んだんだろう、さて……

「よし! 次に行くぞ!!」

「今度はどこへ連れてってくれるの?」

「ヒエのご希望どおり秋葉原と浅草寺だよ、さっ急ごう」

 電車を乗り継ぎ都内へと戻ると、秋葉原へと向かう。14時か……予定通りかな今の所は、さて電車を降りて秋葉原の地に降り立つと。

「凄いわね……アニメとゲームのキャラクターの看板が彼方此方に……」

「ここはこんなもんだよヤエ」

「二人共! 早くこっち!」

「どうしたヒエ?」

「予約した商品を買いに行くの!」

「はあ? 予約って何だよ」

「ここのヨドバシカメラに秋葉原限定のゲーム機があってね、ヤエにピッタリのかわいいデザインなの!」

「ヒエ……貴女まさか私の為に?」

「これで4人でゲーム出来るね!」

「そういう事か……なら、適当に眺めながら行こうか」

「ヤエに私からのプレゼントだからね!」

 その辺を眺めながら歩くレトロゲームの店が目に入ると、ヒエと物色したりしながら目的のヨドバシカメラで限定カラーのゲーム機を買う。レトロゲーム機とソフトそれにヤエ用のゲーム機を合わせると結構な荷物になった、流石にこれは多過ぎるか。一旦ホテルに戻ろうチェックインの時間にも丁度いいし、この荷物どうにかしないと。

「二人共一旦ホテルに戻るよ! この荷物置いて身軽になりたい」

「わかったわ、それまで荷物お願いね健」

「ちゃんとついて来いよ?」

「離れないようにちゃんと掴んでるからね!」

「よし戻るぞ!」

 ホテルに戻ると部屋へ案内されて荷物を置くと、ベッドの上に座り込む。二人共だいぶ疲れていたようだ。俺も足がそろそろヤバいんだ、二人はもっと酷いかも知れない……

「今日はもう止めておくか?」

「あとの予定は?」

「一応、浅草寺と最後に東京タワーだな」

 浅草寺と言う言葉でピンと来たらしい

「私達の大先輩にあたる神がいるのよね……行くわ健、ヒエ」

「それじゃ休憩してから行こうか、下のファミレスでコーヒーでも飲みながらさ」

「ヤエには悪いけど賛成だわ、休みましょう」

「しょうがないわね……」

 ファミレスで1時間ほど休憩し、浅草線に乗り込み浅草寺へと向かって歩いて行くと、人混みが酷くなってくる。雷門の前は物凄い人混みだ。

「絶対に離れるなよ! 二人共!」

「うん!」

 仲見世通りを人混みを掻き分けながら進む。

「お土産は帰りだ、良いな!」

「うっうん、それにしても物凄い人の数ね」

「五泉とは全然違うわね、活気も違うし!」

「ほらもうすぐ本堂が見えてくるぞ!」

 宝蔵門を過ぎると人混みが大分減った、と言っても仲見世通りが狭いだけで人の数は減った訳ではない。本堂に入る前に3人で身を清める

「不思議ね私達も清めないとなんてねヒエ!」

「まぁ大先輩が居るのよ当たり前よね」

「よし! 見てみろよ」

 視線の先は本堂だ、どう考えても地元の神社と比べるのはあんまりだろう。ヤエとヒエが呆然として見上げている、気持ちは分かるけどさ……歴史を考えればねしょうがないでしょ……3人でお参りを済ませて手を引いて広場に出る。

「格が違うわ……」

「そうね……」

「しょうがないよ、世界は広いんだ。でもさ来て良かっただろ?」

「「うん!」」

「さあ今度は帰りに仲見世通りでお土産でも買おう」

「そうね、サイトウの皆と……茉希の分もね!」

「そう言えば茉希ちゃんに旅行に行くって」

「私が言っておいたわよ?」

「なら良しっと」

 仲見世通りを二人を先頭に一軒一軒見て回る、後ろからしっかりと付いて行く。二人は手を繋ぎ、お土産屋で仲良く話し込んだり、手に取ったり、試食をしながらお土産を買っていく。すっかり辺りは暗くなって来た、さて本日の最後の場所へ向かいますかね……

「もう少し頑張れるか二人共?」

「ここまで来たら最後まで行くわよ!」

「当然!」

 浅草線から電車に乗り込み大門駅から歩いて向かうと、ライトアップされた東京タワーが見えて来た。

「綺麗ね!」

「もっと良いものが見れるはずだよ」

「本当に?」

 今日の為に予約しておいて良かったと思いたい。東京タワーに入るとトップデッキツアーで入場するとエレベーターでトップデッキ迄一気に向かう、エレベーターを降りて窓の外を見ると。

「綺麗……」

「こんな景色五泉じゃ……」

 

 見事な夜景が眼下に広がっていた。

 

 スカイツリーでも良かったが、雲っていたら夜景が見れない可能性もあった。東京タワーに来て良かったと思う、二人は黙って夜景に魅入っているようだ、後ろから黙って見守る。辺りにはカップルが数組しかいない、ふと誰かに呼ばれたような気がした……気のせいか……ヤエが呼んでいるこれは気のせいじゃない。

「写真を撮りましょうよ! フォトサービスがあるらしいわよ」

「そうだな3人で撮ろうか」

「3人だけじゃなくて2人づつ撮りましょうよ!」

「思い出だしな、ヒエもそれで良いか?」

「えっ……うん……」

 3人で1枚、ヤエとヒエで2枚、俺とヤエの組合せと、俺とヒエの組合せで1枚づつ合計5枚撮影した。すぐにプリントアウトされ二人共大事そうにしまうと、また夜景を見に行った。気に入ってくれたのかな、それなら嬉しんだけど……それから二人共何かを話し込んでいるようだ。長い……つもる話もあるだろうけどね、閉園迄時間はある。

「健、ちょっとこっちに来て!」


 いつもより真剣な声でヒエに呼ばれた……



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