今を生きる。

サンポ

いつもの通学路

足が重い。


毎朝通いなれているはずの通学路。学校の前には長い坂があって、その坂道を上らなければ学校へはたどり着けない。なんで坂のテッペンなんかに高校を建てたのか。そんなことを考えながら坂を上っていく。


「おっす!ヤマト!」


突然肩を小突かれたことに少しイラっとしながらも、僕は気だるく振り向いた。


「おはようタケル」

「あはは!お前いっつも眠そうな顔してんなー。それにその頭。寝ぐせぐらい直して学校来いよなー」


この朝からテンションMAXの男はタケル。小さい頃からずっと一緒で、高校も一緒。いわゆる幼馴染。しかも2年になって同じクラスになった。


「そういうタケルはいつも元気だね」

「まぁ俺は毎朝2時には起きてっから!」


タケルはそう言いながらニヤついている。


「ふーん。まだ新聞配達の仕事やってたんだ。もうやめたかと思ってた」

口ではそう言ったものの、タケルが毎朝新聞配達の仕事をしていることを、僕は知っていた。


「おう!まぁ、ウチあんなじゃん?今のうちに稼げるだけ稼がねーと」

「そっか。そういえばそろそろ…」


キーン コーン 


「ヤベ!遅刻すんぞ!走れ!」

僕は遅刻とかどうでもよかったけど、タケルはこう見えて無遅刻無欠席。しかたなく一緒に走った。






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