第2話 校内
校舎の中は薄暗く廊下の長さがなくても
奥行き感じた
そして隼人が言っていた先生を捜しに職員室へと歩を進める
「なつかしいな・・・」
つい言葉がでる
何年か前はここを五人で・・・
「そうだね~」
恵理はすこし弾んだ声で答えた
沈みそうになる俺の考えを打ち消すようである
「あれ?職員室は・・・移ったかな?」
隼人が言う
少し歩いた先にあるはずの職員室
しかし、当時職員室で会ったその場所は
立札はなく
また明かりも灯ってなかった
「本当だ・・・ちょっと・・・」
グッ
「やっぱり開かないな・・・」
智也は扉を引いてみたが開くことはなかった
「う~ん、じゃちょっと校内を探検しようよ!」
恵理が明るく言い放つ
「そうだな、もう見れないからな!」
隼人も同意した
「匠も行くだろ?」
すぐに隼人が問いかけてきた
「あ?あ・・・うん、行くよ」
一連の流れをどこか俯瞰していたので引き戻されたような感じだ
「どうした?なんかぼ~っとして?」
智也が心配そうに聞いてくる
「いや、大丈夫だよ。なんか懐かしくて」
「確かに」
そういって笑って言葉を返してくれた
「じゃ、ちょっと散策しますか!」
隼人が先導をしながら言った
みんな思い思いに歩き出す
俺は何だが不思議な空間に迷い込んだ気分でいた
当時は高かった天井も
走り回って怒られた廊下も
今では感じ方が違った
「天井・・・こんなに低かったんだな・・・しかも廊下って案外広いな」
思ったことを微笑みを浮かべて話していた
「匠、おじさんみたいだね」
恵理が笑いながら話す
「たしかになんか一人だけおっさんいるな!」
智也がさらに話題を加速させた
「違うよ!なんていうか・・・ほら!俺って感性が鋭いから!」
俺も茶化して返した
「おまえら、テンションが高すぎ!」
隼人も笑いながら話していた
さっきまでの不気味さは少し晴れ
当時のような楽しい学校生活が頭をよぎる
なんかこんなに楽しく笑えたのは久しぶりな気さえした
その少しの時間の中で恵理が
「ははは、面白いね~・・・ってこんなに騒いで大丈夫かな?」
そういって周りを見渡す
「これだけ話声していたら誰か来そうなのに・・・」
不意に現実に目を移す
・・・・・・
たしかにこんなに騒いでいたら誰か来そうなものだが・・・
「誰もいない?・・・のか?」
隼人が疑問符を浮かべながら聞いてくる
「まさか・・・だっていなかった扉開かないだろ?」
「たしかに・・・」
隼人と確認するように話す
「壊しちゃうから開いてたとか?」
「いや、だとしても開けっ放しにしていたら不用心だし俺らみたいに勝手に入ってとかあったら・・・な?」
恵理の問いに真っ当な意見を隼人が返した
「う~ん、じゃあ気づいてないとか?」
「「「・・・」」」
恵理が再び問うがそれにたいしての答えを出せずに三人は黙った
先ほどの明るさが嘘のように静寂があたりをつつむ
「・・・まぁ、誰か探してみようか?さすがにこのままだとなにかあったらまずいだろうしな」
「そうだな、母校に遊びに来たのに不法侵入扱いされたくないしな」
隼人の言葉に智也が答えた
たしかにこのままだといくら母校とはいえ不法侵入と言われてしまう
「だいぶ暗くなったからすこし急ごうか・・・一階はいなさそうだから二階、三階は分かれて探そうか?」
時間は経ち辺りは暗くなり時間は限られてる
そう判断しての提案を隼人はする
「わかった、じゃ・・・俺と隼人は三階で恵理と匠は二階調べていこうか」
「了解」
「わかったよ!」
智也の話に俺と恵理は即答した
「よし、時間ないから早めにな!明かりついてなくても一通りみて誰もいなかったらすぐに出れるように玄関で集合して帰ろ」
隼人が話してそれを三人は頷いて答え
隼人と智也
そして、恵理と俺は階段を上り分かれていった
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