詩集03 言葉を紡ぐ、どこへたどり着くかわからないままに

仲仁へび(旧:離久)

第1話 もはや他人には戻れない



 ――前世ってものを、君は信じるかい?


 昔から君の事を知っていた


 どうしてだか分からないけれど


 僕だけが覚えていたんだ


 けど


 君は昔の事なんて忘れていてさ


 だから知らんぷりの他人様


 話しかけたって迷惑がられるだけなんだ


 ずっと前から


 意識していたのに


 ずっと前から知っていたのに


「ありえない」と「常識」が 壁となって邪魔をする


 ひどい仕打ちで


 あんまりだ


 嘆く

 けれど

 怒らない


 だってそれは理不尽な事だって知っているから


 僕から見た君は知人でも


 君から見た僕は赤の他人でしかない


 いい加減に過去の事は忘れてしまおう


 二つの関係図を一緒にすればいい


 他人同士にリセットするんだ


 思う


 願う


 祈る


 そうしたい


 なのに


 なんでか


 どうしてだかさ


 うまくいかないよ





「ストーリー」


 ストーカーみたいだなって我ながら思うよ。


 いや、実際そうなのかも。


 僕は勝手だ。


 君のナイト気取りをしてるけれど、実際は変わらない。


 一方的な関係を、保ち続けているのだから。


 こんな歪なものは、なくしてしまうべきだ。


 ああ、でも、君を痛めつけたいあいつの姿を、この世界でも見てしまったんだ。



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