第142話142「ドキがムネムネ!魔法開発(全属性持ちは軽くスルー)」
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第7回カクヨムWeb小説コンテスト】中間選考突破しました。
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「異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜」
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——休憩終了
「さ、さて! 気を取り直して! カイト君の仮説を軸に洗脳魔法の研究を進めたいと思いますが、みんなどうですか?」
「「「い、意義なしっ!!!!」」」
「え? そ、そうなの? ありがとう⋯⋯ございます」
どうやら、俺の仮説は受け入れられたらしい。うれしい。
「ところで、カイト君⋯⋯君の意見を聞きたいんだけど、ボクは『洗脳魔法』というのは『脳内に魔法で干渉して記憶を消している』と思うんだけどどうかな?」
「えーと⋯⋯自分が思うに洗脳魔法は『記憶を消しているのではなく、元あった記憶の
「『元あった記憶の上に記憶を重ねている』⋯⋯。
「はい」
どうやら、ソフィア室長はこの『洗脳魔法』の効果は『記憶の上書き』だと見ているようだ。
「根拠は?」
「根拠は⋯⋯⋯⋯さっき三人が初めて俺の名前を聞いたとき、セイラが『両親が元騎士団長と副団長のベクター・シュタイナー様とジェーン・シュタイナー様っていう、サラブレッド中のサラブレッド』と言ってました。そして、それを聞いた二人⋯⋯マイルズとシーファもまたその情報を知っていた⋯⋯⋯⋯これが根拠です」
「なるほど! 確かに『記憶の上書き』なら、
「はい。実際、トーナメントのときも舞台で俺が両親の名前を言うと、会場の観客も俺の両親の名前に見覚えがあるという反応から、少ししたら『完全に思い出した』というような感じになってました」
「ふむ。ということは、どうやら、カイト君の言うように『記憶の上書き』ではなく『元記憶の上に別記憶を重ねている』のほうが正しいようだな。そうなると、やはり『洗脳魔法』の正体は『脳の記憶領域への干渉』で間違いないかもしれないね」
「はい。あ、それと⋯⋯」
「何だい?」
「もしかすると『洗脳魔法の無効化魔法開発』は⋯⋯⋯⋯思ったより早く実現できるかもしれません」
「は?」
「「「え?」」」
再度、ソフィア室長と三人が固まった。
もう! 固まり過ぎですよ!
「ど、どどどど、どういうことだい、カイト君っ?!」
「え? だって、ここまで仮説を話したら、洗脳魔法はやっぱり『記憶の重ねがけ』の可能性が高いことがわかったじゃないですか」
「そ、そうだね」
「そこまでわかっているのなら、『洗脳魔法』を実際に作ってみようかと⋯⋯」
「「「「⋯⋯は?」」」」
「『洗脳魔法』を作ることができれば、それを無効化する魔法も同時に作れると思います。いや、待てよ? その『洗脳魔法』をさらに分析すれば⋯⋯⋯⋯
「「「⋯⋯⋯⋯」」」
四人は、もはやマッドサイエンティズムなカイトの思考に誰もついていけず、ただただ呆然と見つめるだけでしたとさ。
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——放心状態からしばらくした後
「た、確かに、カイト君の言っていることは
「うーん、わからないです。けど、何となくですが、さっき話しててイメージが湧いたのでやってみますね」
「え? あ⋯⋯う、うん」
とりあえず、俺はみんながいちいち固まるのに疲れたので、ちょっと強引に『洗脳魔法の作成』を始めようと集中した、その時、
「え? ちょ、ちょっとカイト! あんた、闇属性魔法なんて使えんの?! そもそも闇属性魔法を使える人なんて、ほとんどいない⋯⋯」
「魔法は
「「「「⋯⋯へ? 全⋯⋯属性?」」」」
セイラが俺の集中を邪魔するかのように話しかけてきたので、俺はムッとして少し強めな言い方をしてしまった。
あーしまった⋯⋯。セイラだけでなく、みんなまで俺の
「す、すみません、セイラさん、みなさん。ちょっと強い言い方をしてしまいました。で、でも、自分も今、魔法作成に集中していたので⋯⋯」
「「「「いい! いい! そんなことはいい! ていうか、
「え?」
あれ?
「カ、カカカ、カイト君って、『
セイラが口をパクパクさせながら、そんなことを聞いてきた。
「『
「い、いや、『はい、そうです』て、あんた⋯⋯」
「う、嘘だろ⋯⋯? 知識だけじゃなく、『
「「「今、そういう話は⋯⋯いらないからっ!!!!」」」
ズビシっ! ズビシっ! ズビシっ!
「ごふ⋯⋯っ!?」
マイルズの
「ということで、カイト君?」
「は、はひっ!?」
「もう少し、君の話を⋯⋯」
「聞かせて⋯⋯くれませんか?」
「ひ、ひぃぃ⋯⋯っ!?」
ドキがムネムネ⋯⋯て、
つづく!
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