第127話127「童貞主人公妄想譚(尚、話は進まない模様)」

【新作はじめました】


「異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861126765264



********************



「そう言えば、カイト、学園長からは何か聞いているか?」

「え? 学園長から?」


 食事を取ってきたレイア、リリアナ、サラたちも席についてご飯を食べる。レイアは俺の隣に座ると、突然そんなことを話してきた。


「ああ。今日、ランチの後『クラリオン学園騎士団』についての詳しい話をすると言っていたが、もしかして何か知っているかと思って聞いてみたんだ⋯⋯」

「ああ⋯⋯、うーん、俺も特に何も聞いてないな」

「そうか」

「でも、レイアは何でそう思ったんだ?」

「いや、お前はよく学園長と親しげに話しているからな。それで聞いてみたんだ」

「ふ〜ん」


 なるほど。確かに俺も特に気にせず、学園長と話す機会があると普通に話しているが、よく考えたらそれって生徒から見れば『特殊』だよな。日本でいえば『生徒が校長先生と気軽に話している』ってことだもんな。


 ただ、おそらく今回の学園長の話は『かなり込み入った話』になると思われる。なんせ、正規の『クラリオン王国騎士団』に何の連絡もせず『クラリオン学園騎士団』を発表したのだから。


 要は『事は動いた』ってことである。



********************



——クラリオン王国騎士学園/特別会議室


「(コンコン)⋯⋯失礼します」

「開いとるよ」


 ランチを終えた後、俺たちは学園長から指示があった『特別会議室』へと足を運んだ。そこには、


「よくきたな、Aクラス⋯⋯『クラリオン学園騎士団』の者たちよ」

「ようこそ。とりあえず、空いている椅子に座りたまえ」

「「「「「なっ!? ア、アルフレッド・ヴェントレー騎士団長様っ!!!!」」」」」


 そこには、学園長以外に現・クラリオン王国騎士団団長のアルフレッド・ヴェントレーと、


「さ、さ、急いで座って!」

「「「「「レ、レコ・キャスヴェリー先生っ!!!!」」」」」


 クラリオン王国騎騎士団所属兼騎士学園魔法学担任のレコ・キャスヴェリーの姿があった。


「レ、レコ!」

「コラ! レコ先生・・ですよ、カイト・シュタイナー君!」


 レコが先生っぽく注意をしてきた⋯⋯。まー実際先生ではあるのだが。


 ただ、大会の時、よく側に来てタメ口で話していたこともあって、すごく『違和感』があるのだが、まあ、二人の時とは違う喋り方、しかも『教師っぽい喋り方』って⋯⋯⋯⋯興奮するよね。


 やっぱ、レコも教師としての自覚をちゃんと持って⋯⋯、


「あ、レイア姫様、リリアナさん、サラさんはカイトに隣に座らないように。いえ、いっそのこと、男女別に別れて座るように。異論は認めません」

「⋯⋯」




 何という『既視感デジャブ』。




 それにしてもレコも大会終了後から、レイア同様、俺に対して積極的である⋯⋯⋯⋯好意のアピールが。


 ねー、これさー⋯⋯⋯⋯やっぱ俺、モテキだよね? 確定だよね?


『鈍感主人公タグ』なんて入ってないから、俺のこの判断、間違ってないよね? 最善手だよね?


 いや、正直、気持ち良いよね! こんな美少女たちに『明確な好意』を向けられるのってさ!


 もちろん、こんなモテキ⋯⋯⋯⋯俺、史上初めて・・・・・・・であろうことは間違いない!


 しかも、日本にいた時には周囲にレコやレイア、リリアナ、サラといった『美少女』なんて存在しなかったもの!


 ていうか、周りに女性が存在するような環境リア充じゃなかったもの!


 ていうか、アレエッチまだだもの!


 そんな『童貞魔法使い(Lv年齢40)』の俺に「なんということでしょう」⋯⋯⋯⋯日本でも見たことないような美少女がこぞって好意をアピールするというこの状況シチュエーション


 前世でそこまで『徳』を積んだ覚えはないが?




 もしかして『これから徳を積まざるを得ない故の前払い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』ってこと?




 まあ、とりあえず、そんな美少女たちに「カイトこれは私のだぞっ!!」とか「わたくし、カイト様の良き妻となるため⋯⋯」とか「サラ・・とお呼びくださいにゃ。あと妻ですにゃん」とか言われている⋯⋯この現状リアル


 もう間違いないやん! これで勘違い・・・とか言われたら、もはや詐欺・・ですやん!


 やっべー! 異世界サイコー!


 はっ! ま、待て!⋯⋯⋯⋯そうなるとだぞ?


 これから、もしかして、この中の誰かと、こ、ここここ、こゆびと⋯⋯『恋人』になるってことも十分考えられるよね?


 そ、そそそそ、そして、その恋人さんと、チ、チチチチ、チス⋯⋯とか⋯⋯あるんじゃないか! いや、あるでしょ、絶対っ! やったことないからわからんけどっ!(『薄い本バイブル』頼み)


 するとですよ? さらに、その先となると⋯⋯⋯⋯⋯⋯ごくりっ!


 い、いや、待てっ!


『異世界ハーレム方程式』に当てはめれば⋯⋯⋯⋯恋人は一人・・である必要もないのでわっ!


 などと、カイトが『下世話で童貞臭い妄想』に浸っていると、


「どうした、カイト。悩ましい顔も素敵だな・・・・・・・・・・。大丈夫か?」

「え? お、おお、ドレイク⋯⋯」


 俺の右隣に座ったドレイクから声を掛けられ⋯⋯、




 ん? こいつ、いま何つった?




「カイト、お前は副団長なんだぞ! シャキッとしろ、シャキッと!」

「イ、イグナス!? お、おう⋯⋯」

「フン! まったく、ほっとけない奴め」

「⋯⋯あ、ああ、悪ぃ」


 今度は俺の左隣に座っているイグナスから声を掛けられ⋯⋯、




 ん? こいつも、いま何つった?




 妄想で忙しかったおかげで気づかなかったが、俺の座席の両脇を固めているのは、右がドレイクで左がイグナスだった。


 何だか、もの凄く意図的な座席配置・・・・・・・・に感じるのは気のせいだろうか?


 いやいやいや、気のせいだよな⋯⋯ハッハッハ。


 求めてませんからね、そういうのBLタグ

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