はじまり

「ねえ、これ見てよ」


 いつものように話しかけながら、右手に持ったスマホの画面を見せつつ、左隣に寝転ぶ彼女に顔をむける。


「え、なにが?」


 彼女が私の方に顔を向け、画面に顔を近付ける。

 普段よりも近くなった距離に、どきり、心臓が跳ねる。

 意識せずとも漂ってくる石鹸の匂いに、胸の鼓動が早まった気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る