イドラの解

七星北斗(化物)

プロローグ アンブロシア

 マヤ文明を調査する研究員、棚田晋也はある仮説に辿り着いた。


 人間は偶像を生むことで、互いに狂気を感染させる恐ろしい生物だと。


 人間の何が恐ろしいのかというと、思考が正常、もしくは異常あることを考える是非もなく。


 ブドウ糖を消費し、脳を循環させて、考えることができることそのものが尋常ではない。


 この世界には、正しさも間違いもない。そこにあるのは、多数の力を持つ人間を基準に作られた世界であると。


 今日で調査期間は終了する。


 今回のメキシコでの報告書作らないとな。今からそのことを考えると、頭が重くなる。


 調査は順調に進んだ、それはいいのだが、今はとても日本食が食べたくて仕方がない。


 ホント早く日本に帰りたい、メキシコ料理も悪くはないが、やっぱり俺は生粋の日本人だな。


 気づけば、軽くホームシックだよ…


 こっちの食べ物は、わりと食あたりすることも多いし。


 日本に帰ったら、まずはやっぱり寿司とラーメンだな。辛子明太子も捨てがたい、白米食いてー。


 そんなことを考えていると、建物が縦に揺れた。どうやら地震が起きてしまったようだ。


 資料を調べに行かせた、助手のアイザックは無事だろうか?


 緊急地震速報では震度2、この程度なら問題ないはずだ。


 しばらくすると、晋也のスマホに電話がかかってきた。


 電話をかけてきたのはアイザックだった。


 晋也は、アイザックが無事であることにほっと胸を撫で下ろした。

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イドラの解 七星北斗(化物) @sitiseihokuto

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