みどりいろのともだち

美月 純

第1話

「そんでもって、しりこだまを取られっちまうんだぞぉ!」

「うそだぁ!」             

お兄ちゃんが、じいちゃんの話を聞いて叫んだ。


「うそなもんか、あそこの川は昔から河童かっぱ川って言われて、釣り人や川遊びしていた子どもが何度も河童をみてるんだ」

僕はお兄ちゃんの背中にしがみ付きながら話を聞いていた。


「いつ川に行けば河童に会える?」

お兄ちゃんが聞いた。


「そうさなぁ、だいたいは夕方、日が落ちるころに見ることが、多いな」

「よし!じゃあ夕方、川に行ってやる。フミオも一緒にいくよな?」

僕は絶対に嫌だった……けど


「よし、決まりぃ、昼飯食ったら川へ行く準備をするぞ」

 勝手に行くことを決められた。


いやなことはすぐに来る。


 お兄ちゃんは

「冒険だ!」

と言ってリュックにタオルやら河童のエサのキュウリやらを入れて、水筒までばあちゃんに出してもらって肩に引っかけた。


 僕にも少し小さめの水筒を持たせて、拾った木の棒を振り回しながら

「ついてこい!」

と言って歩き出した。


 

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