第一次カラックジェニアス
漢の兄貴
第壱話 百年前の幸せ
私の名前は姓は鬼人、名はリーフ。とてつもなく変な名前だ。ラストネームには漢字もない。これには一つ理由があった。簡単に言おう、病気だ。
正式名称、「色才病」発症には先天性、後天的の二種類あり、いくつかの症状が出る。そしてラストネームに漢字が使えなくなる。それに加えて差別化を図るために一般的な名前を付けさせないという変なルールもある。、、、馬鹿か?症状の中で一番わかりやすいので言うと、目の色、髪の色が変化して異色になる。変化する色はさまざまで、多種多様。
そして、一つ"才能"を得る。
私が得たのは、"戦闘"の才能だった。
なんとなくでどの武器でも使えたし、相手の急所や、攻撃もなんとなく捌けた。
名前や髪でいじめを受けたものの、この"才能"のおかげでいつでも強くあれた。
だが、そんなことはどうでもいい。
今はまず飯だ!腹が減った!!
今日は炒め物を作ってみた。美味しそうに見える!まず一口。
「マッズっっっっっ!!!!!!!」
なぜ!!何故だ!!!こんなに美味しそうなのに!!レシピ通りのはずだ!!そうだ!このレシピを作ったやつが悪いんだ!!そのはz....
ピンポーン!
耳障りな音が私を地獄から解放する。
何も考えず頭を掻きむしりながら、玄関のドアを開けて
「はーい。新聞は取ってねぇぞ」
嫌味のつもりで言った。いたのは普通に宅配便のお兄さんだった。今更だが、今来てる服装がだらしなさすぎて恥ずかしくなってきた。見てよこの格好!!キャミソール一枚に、ハーフパンツって!!!普通のエロ本だったら、犯されてんじゃん!やべーやべー。
、、、まぁそんなことは一切なく、普通に封筒渡して帰ってったんだけどね。
中身を出すと、手紙が一枚入っていた。手紙の内容は、
「貴方を色才病の患者であることは認知させてもらっています。これから始まる戦争に参加していただきたく申し上げます。参加されない場合、貴方が持っている権利を剥奪させて頂きます。集合場所は東京都新宿区の防衛省とさせて頂きます。」
、、、、、ふぅ。
「嘘だろ、、、、」
いや!おかしいだろ!!戦争って!!憲法どこいった!!つか私まだピチピチの女子高生2年目ぞ!!馬鹿にしよって!!!
待て、一旦落ち着こう。私は机の上に置いてあった煙草に手を伸ばす。一本取り出し、ジッポで火を灯す。深く吸って、
「フゥーーーー、、、」
吐いた。よし、落ち着いてきた。よし、まずは情報収集をせねば。私はスマホから同じ色才病持ちの先輩に連絡を入れた。
「もしもし?カナデ先輩?ちょっと聞きたい
ことが」
「なんとなくはわかってる。あの手紙のことだろ」
「さすがですね。で、行きます?」
「ムカつくが、行かなきゃめんどくさいことになりそうだから、行くよ」
「やっぱりですか。じゃあ私も行きます。荷物とかまとめちゃうんで、二時間後に横浜駅に集合でいいですか?」
「ああ、構わん」
その言葉を最後に電話を切り、荷物をまとめて家を出た。
二時間後に横浜駅に着いたらカナデ先輩はもう着いていた。紙の煙草を片手にスマホを眺めている彼女に後ろから近づいて、抱きつこうとした瞬間、
「阿呆」
顔にナイフが突きつけられていた。
「またかぁやっぱりバレますよね」
「あっそ。茶番が済んだなら行くぞ」
私のおちゃらけは容赦なく切り捨てられ、電車に乗り東京に向かった。
新宿駅に着き、
「ちょっと煙草吸ってくる」
カナデ先輩は足早に喫煙所に向かおうとしてるのを止めて
「私も行きますよ♪」
一緒に向かった。
着いた喫煙所で、一緒に吸っていると
「嬢ちゃんら、一本もらっていいかい?今手持ちがなくてね」
30前半くらいの赤っぽい髪をした女が煙草をせびってきた。
「おう、いいよ」
私は一本渡して、ジッポで火をつけてあげた。
「ありがとね。なんかの縁だちょっと話そう
や」
「いいよ。話そうか」
なんの躊躇いもなく、へんじを返す。
「あんたら、今から防衛省に行くんだろ?」
「んで知ってんだよ」
カナデ先輩が若干喧嘩腰に聞く。
「怖いねぇ。ただの噂だよ、これから戦争が始まるって噂。そこで色才病の子達を戦場に導入するってのまで聞いてる。まぁそこまでだ、どうだい?当たってるかい?」
「あんた何もんだ?こんな機密事項一般人は知るはずもねぇだろ」
「噂だって言ってるだろ?じゃあこの煙草くれたお礼に一つ面白いことでも教えてやるよ」
「なんだ?」
私が聞く
「これから戦うのはお隣のや〜な国だよ」
「なんでだ?」
カナデ先輩が聞く
「おや、驚かねぇか。たいそうな肝してやがんな。まぁそんなことはいいか、理由は韓国が、バカチョンと手を組んでアメリカに喧嘩売っちまっあんだと。そこでアメリカが被害がデカくなる前にーつって日本も一緒に戦ってもらうって、、、おっとこりゃあ言っちゃいけなかったな。まぁ多分あとで説明が入るだろ。また話したくなったらここにきな」
そういい、名刺を渡してきた。barの名刺っぽい感じの装飾が施してある。「my Dr.」という店の名前。裏には住所が書いてあった。
「じゃ、よろしく〜」
すごくラフな感じで帰っていった。
「なんだったんだ、、、」
「しらね」
適当人間め、、、
防衛省に着き、中に案内され待合室に待たされた。中にいる人数は私たち含め9人だけしかいなかった。
「こんだけしかいないのか。とりあえず話しかけてみます?」
「いいんじゃね?私ははめんどくせぇからついていくだけだぞ」
私は一番近くのオレンジジュースを飲んでた、中学生らしき子に声をかけた。
身長は約150後半くらいで、水色の髪をしている。細く見えるがしっかりと筋肉質な腕、脚をしている。おまけに拳ダコ(空手をやってるとできるタコ)まであった。
「やぁ。私はリーフ。よろしく。君は?」
「こんにちは。私の名前は大桐ナシロ(たいどうなしろ)です。後ろの方は?」
「ちっ、、、だからやだったのに、、、芥鐘だ。」
「舌打ちせんでくださいよ。ナシロちゃんは、どっからきたの?」
「栃木からです。リーフさんと芥鐘さんはどちらから?」
「神奈川だよ。、、、ここにいるってことは君も色才病の患者だろ?なんの才能だ?」
「殴る才能です。」
「やっぱりか。」
カナデ先輩も気付いていた。拳の握りや、立ち方が空手、しかもフルコンタクトの方。
「人を殴るタイプのスポーツとか習ってたりする?」
聞く。
「はい!やってま、」
脅しで左背足の回し蹴りを打ち込む。
だけどアッサリと止められた。
「すごい綺麗な回し蹴りですn、、アッ!」
「どうした?」
何も考えずに聞いた。
「あの、えっと、、アノ、下着、、見えてま
す、、、」
「///.....」
今めっちゃ顔真っ赤。恥ずかしさからか多少雑に、持たれた脚を支点にして、首に脚を引っ掛けて寝技に持ち込んだ。
「ギブです!ギブです!あとまた下着見えてます!」
落とした。
15分後がたったころ彼女が起きた。
「起きたか。」
カナデ先輩が起床を確認する。ほんっとこの人面倒見いいのよ。ちょっと自慢なんだけど、前風邪ひいて寝込んでた時にカナデ先輩が来てくれて看病してくれたのよ!!神奈川の一部絞めてるようなドヤンキーに看病してもらえたんだぞ!羨ましいだろ!!
まあそんなことはいいとして、、、
起きたナシロちゃんに手を差し伸べた。
「ありがとうございます。少しびっくりしました。回し蹴り止めたと思ったらそのまま寝技に持ち込まれて落とされるなんて」
「いやぁ申し訳ない」
「そんな笑顔で言わないでください、、、」
おっとうっかり....
「失礼します。大臣がお呼びです。ついてきてください。」
やっとか、若干目を細めドアの方に向き、歩きだす。
迷路のような廊下を歩き、連れられたのはやはり大臣室。偉そうに座る眼鏡をかけた年配の男と隣に立っている赤っぽい髪の女、、、
ん!?表情は全く違うが、顔がさっき煙草をせびってきた女と全く一緒だった。私は声を出さずになんにも知らないふりをしてやり過ごした。カナデ先輩も同じ判断をしたようだ。やっぱりこの人は信頼できるな!
そして私たち二人はさっきの赤髪の女に聞いた話をやたら難しくした言葉で説明された。
さっさと終わらせればいいのに、これだから話の好きな老人は、、、
面倒な話が終わり、さっきの待合室に戻された。私とカナデ先輩はドアに手をかける。
開かない。
「ちょっと退いてろ」
カナデ先輩が脚を体の前に持ってきて、
「ふっ!」
突き出した。
壊れる扉驚かずに
「行くぞ」
「はーい」
廊下にでて、さっきの道を辿り、大臣室の前まで来た。扉がガチャリと音を立てて開く。
開いた先にはさっきの女ともう動かない男だけだった。
「なんでここにいる」
先手を打ったのはカナデ先輩。
「なんでって言われてもねぇ。この馬鹿の下につくのも飽きてきたから上に昇っただけさね」
なんの躊躇いもなく答える女。
「ほんじゃ、これから私があんたらの上司だ。ご主人様だぞ、敬いな。」
さっきのふざけた言い方ではなく覇気を感じさせる物言いで話す
「なるほどな。今回のことは無かったことにしよう。今やり合ってもなんもいいことなんてなさそうだ。私たちはあんたの下につく。
敬うかどうかはあんた次第だ。あと一つ聞かせてくれ。あんた名前は?」
「硲 御門(はざまみかど)だよ。いい名前だろ?」
営業スマイルで、返される。
「名刺の名前と違うのかよ。まぁ面倒事片付けたらさっきの店に行ってみることにするよ」
私は約束を取り付け、退出した。
その後私たちは待機室に帰り、専用の個室の部屋に収容された。まあ入ったら鍵ついてたから壁ぶち抜いて先輩と一緒に寝たんだけどね。私やっぱりこの人怖えーよ、、、寝るってなった時にさりげなく腕枕してくんのよ。女たらしめ、、、
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