み、に、く、い
深原カケル
みられたくない
ずっとあなたを好きでした。
中学校ではじめて会ったとき、大して劇的な出会いでもなかった。出席番号順にすわったら、たまたま席が近かった。それだけだった。話したら意外と趣味も性格もあって仲良くなった。一緒の委員会で頑張ったり、時折ケンカもしたりした。
高校になってあなたに好きな人ができた。そして、それを知ったとき、はじめて、私があなたを好きだと知った。ずっと友だちだから、と言い聞かせてた。それなのに、私はいつの間にかあなたのことが好きになってた。
あなたの一喜一憂を隣で見て、きいて、一緒に一喜一憂しつつ、すこし、胸が痛かった。笑うあなたの、悲しむあなたの、その理由が、自分じゃないことが。それでもあなたに笑ってほしかった。悲しませたくなかった。
今日、あなたの恋が報われた。
心底、嬉しそうなその顔に、笑顔で祝福の言葉をかけて…
はじめて、わたしは泣いた
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