周家について
周家は物語冒頭で触れたように、音楽の名家として知られています。音楽一家、と言ったところでしょうか。辰国建国時代から皇帝に従っていて、家の格は中納言にも匹敵するほどです。音楽で身を立てずとも、多くの学者を輩出しており、役人になる場合は地方の長官に任命されることが常です。これは、中央の権力争いに巻き込まれ、貴重な史料や楽譜がうっかり燃やされたり盗まれたりしないようにするためです。その特徴を生かして貴族は蔵に眠っている物を譲ることもあります。
楽器については幼少時から叩きこまれ、メインの楽器を一つ選んだあとはどの楽器をとるかは自由です。なので、羽は琴ですね。家の蔵には楽器がごまんとあるので、「今日は琵琶の気分~」と楽器を取りに行ってもいいのです。弟子の数も多いので、人の出入りが激しいです。一応、執事的な人は居ますが積極的に家事をしたりしません。どちらかといえば、周羽のお父さんである当主のスケジュール管理をする秘書的な仕事が多いです。
家の形は池があったり、大小さまざまな蔵があったり離れがあったりとかなり大きいです。なので、一族で住んでいます。一族で住んでいるから、建て増し建て増しで広くなっていった感じです。
家の格は高いのですが、その理由は「国に古くからいるから」というもので、これと言った業績などはありません。なので、貴族の中には「楽器だけの家だ」と冷たく扱う人もいます。
師弟関係は厳しいため、各地から集めた弟子のほとんどがやめていく事態になっています。このため、有望株が減っていき、周家の力もだんだん減ってきています。陰りが顕著になったのは、言うまでもなく周羽のおじいさん、お父さんの代からです。周羽はこの「陰り」をどう捉え、どう解決していくのかが課題になります。
羽「俺にできる事ってあるのかな」
それを見つけに行くのが、この『羽子伝』なんじゃないの。それでは、次に行きましょう!
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