僕のこと
奥寺 趙雲
天使の微笑み
小さい頃から仲の良い友達。それは家族ぐるみというか、とにかくみんな知った顔で相手の親にもタメ口になる。そんな友達の家に遊びに行った日の話だ。
彼には五歳の妹がいる。五歳と言えば、まだまだ羞恥心なども少なくてとても可愛らしい時期だ。お家に行ってリビングで友達を待っている時、必然と僕は彼女と話をする。
その日は珍しく彼女から僕に話しかけてきた。ただ…
「お兄にゃんがね、○○ちゃん(僕のあだ名)はロリコンさんだよって言ってたの」
んんんん!?あいつは五歳の女の子に何を言っているのだ?!
「ロリコンさんってどんなののこと?」
さあ、どうする俺…もはやモノ扱いされかけていることを棚に置き、僕は考える。嘘は言いたくない…そして出した答えは。
「☆☆ちゃん(友達の妹)のことが大好きってことだよ。」
こう言うとあの彼女は顔を綻ばせた。ああ、天使のよ…
『お兄にゃ〜ん』
ちょちょちょ待とっか!!!慌てて肩を叩いて意識をこちらに。
僕「ナイショダゾ?」
友達妹「イイオ」
なんと可愛い子なのだろうか…危うく惚れそうになってしまったぜ。
…まぁこんなことはあったがこの日も楽しく過ごすことができた。やはり昔からの友達はいい!
だが、実はこの話には続きがあった。それはその日の夜。
僕の元に一通のLINEが…今日遊んだ友達からだった。
友「あのさ、今時間ある?」
僕「ご飯食べたとこだからいいよ。どした?」
友「なんかね☆☆がね、言ってたんだけど」
僕「ごめん、ご飯食べなきゃあとで」
友「おいっ!」
僕「笑笑、それで?」
友「妹に何言っとんねん」
僕「んん〜だってお前が☆☆ちゃんに変なことを言ったから……」
"あの天使のような笑みは、なんだったんだよ…約束したじゃないか〜"と悶える僕、人をロリコン呼ばわりしそれを五歳の妹に言う友。
見苦しい言い合い(というかなんというか…)は、その後しばらく続いたのであった。
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