おとなり債務メイト

@rue0521

モーニングホームルーム:「常識的には考えもつかないJK」

「家に帰ったら見知らぬJKが!」

 まさに今、俺はネット上でよく見る若干いかがわしい広告のような状況に立たされている。いや、別に普段からそんなサイトばかり見ているわけでは決してないけども。

 ゆるふわ茶髪セミロングな正真正銘女子高生(理由は後述)は我が家の棚を物色しては、インスタント麺をスクールバッグに手際よく詰めている。

 そんな空き巣現場に絶賛遭遇中なのに何もできない自分の不甲斐なさについての言い訳を二つほどさせてほしい。

 まずは俺がまだ中学生だっていうのが一つ目。いや、だって年上の女の人ってなんか怖いし。

 そしてたった今中学生とは言ったけど、俺こと徳居彗斗(とくい けいと)は春から高校に進学するためにここに引っ越して来たばかりで、助けを求める知り合いがいないっていうのが二つ目。ちなみに少し訳ありで、一人暮らしをしている。

 

 リアルJKはようやくこっちに気がつくと、

「あ、……やべっ」

 とだけ言い残し、ベランダの方へ姿を消した。

 部屋が一階だからか、逃走が異様にスムーズだ。

「あの制服、まじかよ……」

 間違いない。入学案内に載っていたまんま、うちの高校の女子用の制服だ。


「在校生の民度がいいで有名な高校なはずでは……」

 追いかける気にはなれなかった。

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