1週間物語

おいごら姉

1日目 ①俺、ふられる

時とはずっと流れていき止まることも戻ることも無い


だけどもし時を戻す道具があったらどうだ



そういうことを誰かが考えた



ただ心の中でそう思っていた


誰も現実になることなんてありえないのだから



でも誰かが心の中であることを願った



それがどれだけ恐ろしい事かを知らずに


「今日の旧名古屋市の気温は今年初となる40度を記録するでしょう。それでは皆様お気をつけて行ってらっしゃい!」



いつも流しているラジオを聞きながら

ハムエッグが乗ってあるパンと牛乳を飲んで俺は家を出た。



家と言っても高いマンションの4階だが


服の中に来ていたタンクトップが蒸れる。



ラジオで言っていたこと鵜呑みにして中に着なきゃ良かったな



今はいつだって?てかお前誰だよなんで俺に喋りかけてくんだよ。


え?俺は過去から来た人だ?お前何年から来てんだよ。



2021年…。確かに過去だが大昔過ぎやしねぇか?




まぁいい今は2700年の8月2日だ。




ここがどこだって?旧名古屋市に決まってんだろ。



え?俺の時はそんなものない?


あー確かにな。昔はここの市のことを名古屋市と言っていたそうだが、200年前に愛知県知事が都市を変えたんだ。


その為、愛知には旧名古屋市と新名古屋市があるんだ。

俺はそのうちの旧名古屋市に住む住人の一宮いちみやゆたかって話。


てか、ほんとに誰なんだ?



まぁいい、暇なんだろうな。だからこれからお前には俺の1週間を見してやっから。ほれ行くぞ。



カンカンカンカン



踏切で止まっちまった。



今日は彼女とデートだと言うのに



これじゃ遅刻しちまうよ残り10分だ



俺は電車に乗って新名古屋市まで向かう


今日は月曜日だ。だからか人がやけに多い。こんなん吊革に掴んでても押されちまう。



え?今日は月曜なのに学校行かなくて良いんですかって?そんなこと気にするのかってパスト君。



パスト君ってなんだって?


お前は過去から来た人なんだろ?



past=過去だからパスト君だ



んで月曜なのに学校に行かないのは大学が休みなんだ。それだけの事さ。


はいはい。いいから戻るぞパスト君。


俺はホームについて駅を出た。愛知県知事が"東京駅に負けない駅に"と変なスローガンを掲げたせいか無駄にでかい駅になってしまった。



俺は方向音痴ではない。だがここに何回も来る度に俺は迷ってしまう。そのぐらいでかいのだ



ヤバいこんなことしてたら残り5分じゃないか。彼女は来ているだろうか。



あ、パスト君に言っとかなきゃな

俺の彼女は風林かぜばやし ゆきって言って超絶可愛いくて可愛い子なんだ。君にはあげないからな。



ガチでまずい。時間が無い遅刻する!

俺は今までに1回しか遅刻してない。

それは前日に焼肉屋で生の豚を食べてしまい腹を下してしまってなんとそれが次の日のデートの時にも来てしまった。

あれ以来俺は豚が嫌いだ。そこで遅刻してしまったが



「2度目はないよ。」



と言われてしまった。絶対に間に合わなければ行けない。




俺は全速力で歩道を走って待ち合わせのコンビニ前の交差点まで来た。


何とかセーフー!いやぁマジで危なかった。




するとコンビニの前に雪がいるではないか



あと3分これは間に合うな。



信号が赤から青になり俺は走った。


横断歩道で俺は誰かと肩がぶつかった。


「あ、そのすいませーん!」


俺は走りながら謝ってしまった。


クソ野郎だな俺は。


横断歩道を渡りきった。


そしたら上から



ぺちゃっ。



と頭の上に落ちてきた。



フンでは無いか!!

今日は髪をセットまでしてきたんだぞ!?



俺は左腕につけた腕時計を見た。




あと1分。


俺は高速でコンビニのトイレに行き髪をセットした。



髪の毛よし顔よし歯よし金よし



家でやれよって言われても急いでたんだできるわけないだろ




俺は清々しくコンビニを出た。




「雪ー!!あ、あれ?」



さっきまでいた雪がいない



すると、ポケットでケータイのブザーが鳴った。



あれ、どっちのポケットだっけな



両手を両ポケットに突っ込んだ。



右ポケットにはケータイがあった


左ポケットには見に覚えのない立方体のキーホルダーらしき物があった


さっきぶつかった時か?


ケータイを開いて通知を見てみた



【2度目はないって言ったよね。約束を破る人とは付き合いたくないです。さようなら。】


まっまて、今時間は…。



5分オーバー



俺はトイレに5分もいたのか



やってしまった。



絶対にやっては行けないことをした。



「なんでこんなことになってしまうんだ。せめて30分前にちゃんとしていれば!くそぉ!」



俺は泣きながらキーホルダーを地面に向かって投げた。


キーホルダーが恐ろしいほど光った



目をつぶったさそりゃあ



目を開けるとコンビニでは無かった。


ここはと思って当たりを見回す。


すると聞いたことのある声が聞こえてきた


「今日の旧名古屋市の気温は今年初となる40度を記録するでしょう。それでは皆様お気をつけて行ってらっしゃい!」



これは俺が聞いているラジオ!


俺ん家では無いか!でもなぜ


時間を見たら待ち合わせの30分前だった。




パスト君これはどういうことかね。

俺は今タイムリープをしているのかね。


手になんか感触がある。



先程のキーホルダーだ。



白色の立方体の内の一面が赤くなっている。



これは神様が俺にチャンスをくれたって言うのか?



いや、そうに違いない。




俺はパンと牛乳を食べずに家を出て走った。



さっきは朝食を食っていて踏切で止まったが今は来ていない!!



踏切を抜ける。



ちなみに走りやすいようにタンクトップは脱いできた。ラジオは正しかった。



電車に乗り新名古屋市まで着いた。



駅では案の定迷ってしまったがまだこれでも10分ある。


これは行ける。確実に行ける!



そして、横断歩道まで来た。



めちゃくちゃ疲れているが大丈夫。

あとちょっと頑張ればいいんだ。


逆にここはゆっくり冷静に横断歩道を渡ろう。


俺は誰ともぶつかることなく渡った




まて!上を見ろ鳥がいるのを確認するんだ!



心の中でそう唱えて俺は上を見ながら歩いた。



フンを落とす鳥はいなかった。



俺はついに雪に会えた。



「遅くなったね雪ごめん。」


「ううん!全然!今来たところなの!」


もし遅れていたら振られていたと思っとゾッとする。



「どこ行く?」



雪が聞いてきた。その顔は犬顔で目をうるうるさせながらこっちを見つめる。


髪は結んであり茶髪の女子

オシャレ好きだからなのかネイルとかネックレスとかしていて大人っぽい一面もある。身長は164cm。俺の20センチぐらい小さいな。



「んじゃあ、ショッピングモールでも行こうか!」



「うんうん!!」



めっちゃコクコク頷いてくれるやん。



そう言って手を繋ぎながら俺らは

ショッピングモールへと向かった。



大丈夫。パスト君の事も忘れてないさ。

でも今は2人だけの時間なんだ邪魔はしないでくれよ。




そう言って俺らは近場のバスに乗って

ショッピングモールへと向かっていった。




​───────​────────


いかがでしょうか。第1話。

カップルの恋とタイムリープ作品のふたつを繋げたいなという思いで作りました。


良かったらいいねと星とコメントおねがいします!!















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

1週間物語 おいごら姉 @oigora

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ